フィッシング対策協議会は6日、2013年12月のフィッシング状況について公表した。報告件数は前月度より450件多い1412件に急増しており、オンラインゲームや金融機関をかたるフィッシングの増加が目立つ。この傾向は現在も続いており、巧妙さを増すフィッシングメールにだまされないよう注意が必要だ。
フィッシングの報告件数の急増は、2013年11月から始まっている。11月度は10月度より739件増加し962件、12月度はさらに450件増えて1412件となった。フィッシングサイトのURL件数をみると、2013年11月度は10月度より133件増加し229件、12月度はさらに131件増えて360件となっている。
同協議会の11月の総評では、急増の原因は「オンラインゲームをかたるフィッシングの報告に加えて、金融機関をかたるフィッシングが増加したため」としている。12月の総評では、増加が続く原因を「オンラインゲームや金融機関をかたるフィッシングが増加しているため」としている。
本通信の「11月の国内フィッシング事情」では、オンラインゲームのアカウントを専門に狙い、国内ユーザー向けには「スクウェア・エニックス」を装うフィッシングを仕掛けていたグループが、11月中旬からターゲットをオンラインバンキングに切り替えた攻撃を開始したことを報告している。同記事の予想通り、攻撃はオンラインゲームとオンラインバンキングの二本立てで年末年始の休暇に突入。さらに、正月休暇が明けた今週もこの二本立て攻撃が続いている。同協議会は6日にハンゲーム、8日に三菱東京UFJ銀行をかたるフィッシングメールが出回っているとして、注意を呼び掛けている。
・[2014/01/08 更新] 三菱東京UFJ銀行をかたるフィッシング(2013/12/27) https://www.antiphishing.jp/news/alert/mufg20131227.html ・[2014/01/06 更新]ハンゲームをかたるフィッシング(2013/12/10) https://www.antiphishing.jp/news/alert/hangame20131210.html
本通信リサーチャーによると、見かけ上は大量のフィッシングサイトがあるように見えるが、同時に稼働している本体サーバーは最大でも3基で、これを使いまわし、途絶えることなくフィッシングサイトを稼働し続けているという。
同協議会は、現在は不特定多数に対して執拗にフィッシングメールが送られる状態が続いているとして、判断に迷う場合や不審メールを受け取った場合は、事業者の問合せ窓口や同協議会まで連絡するよう呼びかけている。
(2014/01/08 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】 ・2013年12月度フィッシング報告状況(フィッシング対策協議会) https://www.antiphishing.jp/report/monthly/201312.html ・(平成26年1月6日更新)インターネットバンキングのパスワード等を騙し取る不審な電子メールにご注意ください(三菱東京UFJ銀行) http://www.bk.mufg.jp/info/phishing/20131118.html ・重要 <更新>【重要】ハンゲームを装ったフィッシングメールにご注意ください(ハンゲーム) http://info.hangame.co.jp/index.nhn?m=detail&infono=9333