NITE(ナイト:独立行政法人製品評価技術基盤機構)は24日、スマートフォン(スマホ)などの充電ケーブルのコネクターで、出火事故などが起きているとして注意を呼び掛けた。
NITERによると、スマホなどの充電やパソコンとの接続に使用するケーブルと機器との接続端子部分で発生した事故は、昨年度までの過去5年間に48件あった。うち13件は、製品の破損に留まる事故だったが、25件は周囲の物が焼けるなどの被害に発展。やけどなどの軽傷な人的被害も10件発生している。深刻な被害こそ起きていないが、どの事故も発煙や発熱、発火のいずれかを伴っており、火災などの重大事故に発展するおそれがあるという。
事故原因の判明しているものを見ると、コネクター内部のはんだ付け不良などの製品自体に問題のあったものが9件なのに対し、誤使用や不注意などの製品に起因しない事故が24件も起きており、ユーザーの使い方の問題を浮き彫りにしている。24件の内訳は、コネクター内部の変形によるものが21件、コネクター内部への液体などが侵入によるもののが3件だ。
■コネクターの変形
スマホやタブレットに使われている小型のコネクターは、斜めに挿すなどの無理な力を加えると折れ曲がってしまうことがある。また、Android端末に使われているmicroUSB(マイクロユーエスビー)の場合は、アップル製品に使われているLightning(ライトニング)と違い、コネクターに裏表(接続方向)があり、逆挿しようとすると無理な力が入って変形してしまったり、端子がショートしてしまったりすることがある。通常は、プラグに刻印されたロゴが表を向くように挿せばよいはずだが、メーカーや機種によっては逆向きの製品もあり安定していないのが現状だ。機器とケーブルのコネクターの裏表を確認し、あまり力を入れずに、まっすぐ差し込んで頂きたい。機器によっては、クレドールに載せて充電できるものもあり、コネクターの挿抜よりも高い耐久性が期待できる。
なお、いちど折れ曲がってしまったコネクターの再利用は、してはいけない。見た目は元通りに曲げ戻せても、内部でショートしていることがあり、事故を引き起こしかねない。
■異物の混入
コネクター内に細かいゴミやホコリ、金属片などの異物や、汗や飲料水などの液体が入り込んだままの状態で使用すると、端子間がショートして発熱や発火につながることがある。ケーブルや機器本体のコネクター部分は、濡れたり異物が付着したりしないよう注意していただきたい。
コネクター部分にキャップ(カバー)が付いた防水仕様の機器(キャップレス仕様のものを除く)もあるが、コネクターに取り付けるキャップは市販されているので、気になる方は利用するとよい。キャップには、ケーブルのプラグに取り付けるタイプと、本体のレセプタクル(プラグの挿入口)に取り付けるタイプとがあり、一般に使われているmicroUSB-B(Android端末)、Lightning(アップル端末)、USB-A(充電器、パソコン側)は、それぞれ形状が異なるので注意していただきたい。
(2014/07/29 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・スマートフォン等の充電用コネクターによる事故の防止について(注意喚起)(製品評価技術基盤機構)
http://www.nite.go.jp/jiko/press/prs140724.html