東京都は7月1日、消費者に誤解を招くおそれがあるインターネット上の広告・表示について、2013年度の監視結果を発表した。健康食品、化粧品、美容関連サービス、外国語教室、有料老人ホームの広告など、443件・375事業者が指導対象となった。
都が行っているインターネット上の広告・表示に関する監視活動は、「不当景品類及び不当表示防止法」(以下、景品表示法)の観点から、2009年度より年間を通して実施されている。
昨年度、都の改善指導の対象となった443件の内訳は、「優良誤認のおそれ」313件、「有利誤認のおそれ」205件、「その他誤認されるおそれのある表示」15件、「過大な景品類の提供のおそれ」6件である(重複があるため指導件数の合計とは一致しない)。それぞれの内容を見てみよう。
○「優良誤認」のおそれ--健康食品、化粧品、除菌・消臭剤など
実際のものよりも著しく優良な内容であると一般消費者に誤認される表示は、「景品表示法」第4条第1項1号で禁じられている。サプリメントの広告で「症状を緩和しながら花粉に強い体質にチェンジ!!」など、合理的根拠を示さないまま著しい効能効果をうたうものなどが該当する。昨年度は、健康食品、化粧品、除菌・消臭剤などについて、こうした誇大表示が多数確認された。
○「有利誤認」のおそれ--美容サービス、外国語教室など
実際のものよりも著しく有利な取引であると一般消費者に誤認される表示は、「景品表示法」第4条第1項2号で禁じられている。実際は継続して実施している割引キャンペーンについて、「今だけの期間限定!今月末まで」などとうたい、期間限定と思わせる広告などが該当する。昨年度は、美容関連サービス、外国語教室などで、こうした不当な割引キャンペーン表示が多数確認された。
○「その他の誤認」のおそれ--有料老人ホーム広告の「記載不備」
有料老人ホームについては、「景品表示法」第4条第1項第3号に基づいて「有料老人ホームに関する不当な表示」が規定されている。土地や建物、施設・設備、居室利用、医療機関との協力関係、介護サービス、介護職員等の数、管理費等についての表示が明瞭に記載されていない場合、不当表示となる。たとえば、広告で「24時間看護師常駐」とのみ表示し、「夜間における最少の介護職員等の数」について明瞭に記載していない場合などが該当する。昨年度、都は15件の有料老人ホームについて、こうした必要事項の記載不備の指導を行った。
○「過大な景品類の提供」のおそれ--化粧品新規購入時のプレゼントなど
過大な景品類の提供は「景品表示法」第3条で禁じられている。たとえば、化粧品販売の際に「新規購入者にもれなく景品をプレゼント」など、取引価格の20%を超えた景品を提供していたケースなどで、昨年度は6件が都からの指導対象となった。
都はこの結果を受け、消費者庁およびインターネット関係事業者に対し、適正化のための要望を提出した。また、消費者に対しては、インターネット上の誇大広告に注意すること、表示内容をうのみにせず、よく確認した上で商品やサービスを選択するようにアドバイスしている。
(2014/07/08 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・平成25年度インターネット広告・表示(年間24,000件)の監視結果(東京都)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2014/07/20o71300.htm
・表示規制の概要(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/representation/keihyo/hyoji/hyojigaiyo.html#m01
・有料老人ホームに関する不当な表示[PDF](消費者庁)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/100121premiums_19.pdf
・「有料老人ホームに関する不当な表示」の運用基準[PDF](消費者庁)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/100121premiums_33.pdf