国民生活センターや全国の消費生活センター等が2013年度に受け付けた消費者からの苦情相談のうち、最も件数が多かったのはアダルト情報サイトに関する相談で、全相談(93万5224件)の8.6%にあたる8万316件だった。3年連続で、第1位となっている。
国民生活センターによると、アダルト情報サイトに関する相談の件数は、2011年度に、集計開始以来最多の9万5634件を記録。2012年度には6万5375件まで減少したが、2013年度、前年度の1.23倍にあたる8万316件まで増加した。今年度も6月30日の時点で、前年同期よりも5000件近く多い1万8868件の相談が寄せられている。
利用料がかかるという認識がないままサイトを進んで登録となり、料金を請求されたという相談がほとんどだった。スマートフォンの普及に伴い、スマートフォンからアダルトサイトを利用したという相談も増加している。
■最近の相談事例
・スマートフォンで無料動画を閲覧したら登録となった。業者に電話をかけたら20万円を請求され、クレジットカードで決済したが払いたくない。
・スマートフォンでアダルトサイトを閲覧したら突然、会員登録になり9万9800円を請求する表示が出た。対処方法を教えてほしい。
・友人と共有しているSNSのリンク先を見るため、スマートフォンの画面をタッチしたらアダルトサイトに入会になってしまった。お金を払いたくない。
・アルバイト先の客が私のスマートフォンを使ってアダルトサイトにアクセスしてしまった。料金請求画面が出たらしい。どうすべきか。
相談は高齢者からも寄せられている。80歳代の男性のケースでは、パソコンで湿疹の薬について検索していた際、一覧に出たサイトをクリックしたところ、アダルトサイトにつながった。無料とあったのでサンプル画像をクリックすると「登録完了」画面が表示され、請求画面が張り付いて消えなくなったという。
■困ったときは
国民生活センターでは、焦って業者に連絡し自分の個人情報を相手に伝えてしまうと、さらに迷惑メールや不当請求につながるおそれもあるとして、自分から連絡しないよう呼びかけている。また、困ったときは、まず住んでいる自治体の消費生活センター等に相談することをすすめている。
(2014/08/12 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:国民生活センター】
・2013年度のPIO-NETにみる消費生活相談の概要
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20140807_2.html
・報告書本文[PDF]
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20140807_2.pdf
・各種相談の件数や傾向~アダルトサイト
http://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/adultsite.html
・思わぬ落とし穴!?高齢者にもアダルトサイトの請求トラブル
http://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen185.html
・全国の消費生活センター等の相談窓口
http://www.kokusen.go.jp/map/index.html