「バンドメンバー募集」「タレント募集」といった情報を見て事務所に出向いたところ、プロモーションCD製作費用やレッスン料などとして高額な費用を請求された――こうした相談が消費生活センターに寄せられている。
東京都では4日、インターネットの掲示板や雑誌広告をきっかけとしたこのようなトラブルについて、事例を挙げて注意を呼びかけた。
30歳代の男性は、ネット掲示板でバンドメンバー募集の記事を見て応募。2000円を払ってオーディションを受けたところ、合格した。社長と会い、「当社にはメジャーデビューした歌手がいる。あなたもプロモーションCD製作費を50万円支払えば、歌手として売り出せるようにする。」と言われ、支払ったが、後日、この事務所からメジャーデビューした者はいない事実を知ったという。
10歳代の女性は、インターネットで芸能事務所のオーディションを知り、応募。一次、二次審査を通過し、三次審査の面接に保護者同伴で参加した。見込みがあると言われマネジメント契約を結んだところ、タレント養成所への入学を勧められ、入学金40万円を支払って申し込んだ。入学金を半年で返せるくらい仕事を積極的に紹介すると言われていたが、仕事の応募条件が複雑で、応募できる仕事はほとんどなかったという。
都は、芸能界における現実の厳しさとかけ離れた説明を受けて、高額な契約を行い、トラブルとなっているケースが目立つとして、以下の3点をアドバイスしている。
(1) レッスン契約などを締結すると、ケースによっては解約が困難
特定商取引法上の取引に該当すれば、クーリング・オフにより支払った代金を取り戻せる場合があるが、それ以外の場合は、途中で解約したくなっても簡単に中途解約が受け入れられるわけではない。
(2) 必ず有名タレントになれるかのような勧誘トークには、注意が必要
芸能界の仕事を紹介すると約束されても、応募条件がいろいろあって簡単には仕事が見つからない場合がほとんど。売り出すために必要だからと高額な費用がかかる契約を勧められた場合は熟慮が必要。
(3)少しでも疑問に思ったら、消費生活センターに相談する。
消費生活センターでは、商品やサービスなど消費生活全般に関する苦情や問合せなど、消費者からの相談を専門の相談員が受付けている。具体的な相談先については下記の「全国の消費生活センター等」をご覧いただきたい。また東京都では、都内在住、在勤、在学を対象とした通報窓口「悪質事業者通報サイト」を開設しており、窓口に相談するほどでもないけど困った経験をしたといった場合でも情報を寄せてほしいとしている。
(2014/08/11 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・タレントオーディション合格?そこに落とし穴はありませんか!―高額な事務所所属契約やレッスン契約に注意―(東京都)
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/sodan/kinkyu/20140804.html
・全国の消費生活センター等(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/map/index.html
・悪質事業者通報サイト(東京都)
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/tsuho/honnin-form.html