ユーザーのパソコンを遠隔操作しプロバイダを変更してしまう、遠隔操作によるプロバイダ変更勧誘トラブルが急増しているとして、国民生活センターが注意を呼びかけている。
回線の契約内容の変更だと思ったら、プロバイダを変更されてしまった。電話勧誘で、考える間もなく手続きしてしまった。料金が安くなると説明されたがそうならず、解約を申し出たら違約金を請求された。全国の消費生活センターなどには、こうした相談が多数寄せられているという。
国民生活センターのまとめでは、昨年度(2013年4月~2014年3月)の相談は、前年度の187件から1596件へと大幅に増加。今年度に入ってからも増え続けており、9月5日までに1537件(前年同期291件)の相談が寄せられているという。
インターネットの接続環境は、通信を行うための回線の提供とインターネットへの接続業務とを同じ業者が提供している場合と、別の業者が提供している場合とがある。例えばケーブルテレビなどは前者、フレッツ光などのNTTの回線を使用する場合は後者だ。ネット接続を行う業者をインターネットサービスプロバイダー(ISP)といい、回線とは別の業者が提供している場合には、一般に回線はそのままでISPのみを変更することができる。ISPとの契約は、ISPが直接受け付けているほか、勧誘業者が斡旋している場合があり、一部の悪質な勧誘業者が行っている強引な電話勧誘が、一連のトラブルを起こしているらしい。
こうした電話勧誘では、料金が安くなるなどの説明をしてISPの変更を持ちかける。中には、NTTの関連業者を装うものや、利用しているISPがサービスを終了するといった虚偽の説明をするケースもあるという。ユーザーには、変更を遠隔操作で行うと説明し、パソコンを起動させて遠隔操作用のソフトウェアをダウンロードさせる。さらに、ユーザーが利用しているISPのIDとパスワードを聞き出して、変更作業を始める。
国民生活センターでは、こうした勧誘を受けた場合には、電話口で承諾せず書面の交付を求めて内容をよく確認し、もし不審な点があったりトラブルになったりした場合は、最寄りの消費生活センターに相談するよう注意を呼び掛けている。
(2014/09/26ネットセキュリティニュース )
【関連URL】
・相談激増!遠隔操作によるプロバイダ変更勧誘トラブルにご注意[PDF](国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20140918_1.pdf
・遠隔操作(リモート)によるプロバイダー変更勧誘トラブルにご注意ください(日本インターネットプロバイダー協会)
http://www.jaipa.or.jp/topics/?p=710
・遠隔操作によるプロバイダの変更勧誘トラブルについて(ソネット)
http://www.so-net.ne.jp/support/information/140918.html