セキュリティ企業のソフォスは5日、今年7~9月の「スパム送信国ワースト12」を発表した。スパム(迷惑メール)の送信量が最も多い国は米国で、日本は11位に入っている。スパムの多くはマルウェアに感染してゾンビ化したパソコンを踏み台にして配信されており、悪用されないためには感染対策が重要だ。
同社は、インターネット上に多数設置したスパムトラップで収集した全てのスパムの送信国を調査し、「スパム送信国ワースト12」を四半期ごとに公開している。
今年7~9月の調査では、米国からのスパム送信が総スパム量の11.5%を占めてトップとなり、2位は中国(9.1%)、次いでフランス(6.4%)、ロシア(6.3%)、イタリア(5.5%)、韓国(4.9%)、ベトナム(4.6%)、ドイツ(3.6%)、ウクライナ(3.2%)、アルゼンチン(3.1%)、日本(3.0%)、スペイン(2.6%)という結果だった。
しかし、インターネット利用率が高い米国や人口の多い中国は必然的に上位にランクされてしまうことから、国別のスパム量での評価は公平ではないとして、同社は人口比率での順位も算出している。各国の人口1人あたりのスパム量を概算し、米国のデータを基準として、国別の1人あたりの配信数を比較したものだ。
それによると、1位はブルガリア(4.9倍)、2位はウルグアイ(3.7倍)、次いでスイス(3.5倍)、韓国(2.7倍)、イスラエル(2.7倍)、フランス(2.7倍)、台湾(2.6倍)、イタリア(2.5倍)、ベラルーシ(2.4倍)、ラトビア(2.4倍)、リトアニア(2.3倍)、マカオ(2.1倍)という順になる。ベルラーシは昨年の第2四半期から今年の第1四半期までワースト1位だったが、自国でのスパム配信量を減らし、前回の四半期で2位、この四半期で9位にまで順位を下げたという。
同社は、スパムの多くはコンピュータのセキュリティを適切に保護していないユーザーから配信されており、「スパム送信国ワースト」の調査結果は、いかに多くのコンピュータがスパム配信マルウェアに感染しているかを示すものとする。
スパム配信マルウェアに感染したパソコンは、サイバー犯罪者に乗っ取られたゾンビパソコンとなり、スパム送信の踏み台として悪用される。同社研究所の最近の調査では、通常の速度でインターネットに接続する一般的なコンピュータは、毎週500万通のスパムを送信できるという。もし自分のパソコンがゾンビ化した場合、それほど大量のスパム送信に利用される可能性があるのだ。
同社は、所有するコンピュータがゾンビ化してサイバー犯罪者に加担することがないよう、セキュリティに十分に留意するよう注意を喚起している。
(2014/11/07 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:ソフォス】
・「スパム送信国ワースト12」の最新データ (2014年7月~9月)
http://www.sophos.com/ja-jp/press-office/press-releases/2014/11/ns-dirty-dozen-q3-2014.aspx