マイクロソフトは9日、セキュリティ更新プログラム(修正パッチ)の概要を一般ユーザーに事前に提供していた事前通知サービスを廃止すると発表した。プレミアサポートのユーザーに対しての通知サービスは、今後も継続するという。
同社では、月の第二水曜日にWindowsやOffice製品などの定期的なアップデートを行っている。この月例パッチに先立ち、2004年11月からは、公開を予定しているパッチの概要を第一金曜日に提供する事前通知サービスが始まった。事前にパッチの適用プランを立てられるよう配慮したこのサービスが、昨年12月までの約10年間にわたって行われていた。
この間に、WindowsのアップデートにOffice製品などのアップデートも統合され、自動更新に未対応だった古いWindowsは、サポート期限を終えて一掃された。一般ユーザーのほとんどは、標準で有効に設定されている自動更新機能を使ってパッチを適用しており、事前に特別な準備作業を行うユーザーは、ほとんどいないのだという。
こうした経緯から、一般ユーザー向けの事前通知サービスは廃止し、今後は、企業向けに提供しているプレミアサポートの契約ユーザーと、脆弱性情報などをセキュリティ関連企業などと共有するための「Microsoft Active Protections Program(MAPP)」の参加企業向けにのみ提供するという。
なお同社では、プレミアサポートを契約していない一般ユーザー向けに、「myBulletins」というサービスの利用を勧めている。無料のマイクロソフトアカウントで利用できるこのサービスは、ユーザーが選択・設定したOSやアプリケーション関する公開されたセキュリティ情報を集約し、閲覧できるようにするもの。英語版のサービスだが、翻訳済みのセキュリティ情報は日本語で表示できる。
(2015/01/09 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・2015 年にマイクロソフトの事前通知サービス (ANS) を変更(日本のセキュリティチーム)
http://blogs.technet.com/b/jpsecurity/archive/2015/01/09/evolving-microsoft-s-advance-notification-service-ans-in-2015.aspx
・Evolving Microsoft's Advance Notification Service in 2015[英文](Microsoft Security Respopnse Center)
http://blogs.technet.com/b/msrc/archive/2015/01/08/evolving-advance-notification-service-ans-in-2015.aspx