Windows 7/8.1を対象としたWindows 10の無償アップグレードが間もなく始まる。アップグレード予約を終え、新しいOSが利用できるようになるのを今や遅しと待ちわびている方もいらっしゃるかも知れないが、はたしてアップグレードを実行しても大丈夫なのだろうか。
無償アップグレードの対象となっているWindows 7と8.1(Windows 8.0からのアップデート版を含む)のユーザーのパソコンでは、先月からタスクバーに「Windows 10を入手する」アイコンが表示されるようになっており、クリックするとアップグレードの予約が行えるようになっている。Windows Updateにも同様の表示があるので、こちらから予約された方もいらっしゃるかも知れない。
予約を行ったパソコンには、新しいOSの提供が始まってインストールの準備が整うと、通知が来ることになっている。そこでインストールを実行すれば、新生活が始まる手はずなのだが、OSのアップグレードは、時として大きなトラブルを招いてしまうことがあるので注意したい。
本体や周辺機器、使用していたアプリケーションが、新しいOSに対応していなかったり、対応の予定すら立っていないこともあったりする。Webサービスが未対応というケースもあるので、なくては困るものをひと通りリストアップし、対応状況をくまなくチェックしてからアップグレードするかどうかを判断するようにしたい。未対応のハードやソフト、サービスは、全く利用できなかったり、一部の機能に制限が生じたりするだけでなく、他のソフトやハードの動作に影響を及ぼすこともある。
■アップグレード前にバックアップを
Windows 10を搭載した新しいパソコンを導入する場合には、古い環境もそのまま使い続けることができるが、使用中のパソコンのOSを入れ替えるとなるとそうは行かない。互換性を事前にチェックする「Upgrade Advisor」が問題を報告していなくても、問題が発生しないことが保証されるわけではない。Windows 10へのアップグレード後31日間は、アップグレード前の環境に戻す復元機能が利用できるそうだが、いつ何が起きるかは分からないので、自力で回復できる準備を整えておきたい。
データのバックアップとWindowsのインストールディスクまたはシステム修復ディスクは最低限用意しておかないと、万一の時にシステムを復旧できなくなってしまう。システム全体のバックアップ(システムイメージ)を用意していれば、完全に元の状態に戻すことも可能だ。
■予約の確認と取り消し方法
Windows 10は、月例のセキュリティパッチとは異なり、全てのユーザーが行わなければいけない類のものではない。無償アップグレードの対象パソコンで予約したユーザーのみに配布され、ユーザーが指示して初めてインストールされる。いつのまにか勝手にアップグレードされていた、ということはないので安心していただきたい。また、向こう1年間は、この無償アップグレードが利用できるので、しばらく様子を見てからアップグレードを検討しても遅くない。
すでに予約してしまったがキャンセルしたい方や、予約したかどうかを忘れてしまった方は、デスクトップのタスクバーにある「Windows 10を入手する」アイコンを右クリックしてみると良い。コンテキストメニューの上から2番目の項目が、「無償アップグレードを予約する」になっているパソコンは、アップブレードの予約は行っていない。ここが「アップグレードのステータスを確認する」になっているパソコンは予約済みだ。このメニュー項目を選択すると、「アップグレードを予約しました」と書かれた「Windows 10を入手する」ウインドウが開くので、左下の「予約の取り消し」を選択すると予約を取り消すことができる。
(2015/07/29 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:マイクロソフト】
・Windows
http://www.microsoft.com/ja-jp/windows/
・Windows 10のFAQとヒント
http://www.microsoft.com/ja-jp/windows/windows-10-faq?ocid=win10_auxapp_ReserveConf_win10faq