「ウイルスが検出されました」という偽の音声メッセージを流してくる Webサイトに騙されないよう、IPA(情報処理推進機構)は4日掲載の「今月の呼びかけ」で注意を促している。
IPAによると、今年5月以降、「あなたのコンピュータでウイルスが検出されました」という音声がパソコンから聞こえたが大丈夫かという相談が相次いでいるという。相談者によると、いつの間にか辿り着いた「PCサポート」というWebサイトで音声メッセージが流れ、ウイルスを検出したので電話をかけるように促される。
■遠隔操作ソフトのインストールと有償ソフト購入を勧誘
不安になって言われるままに電話をかけてしまった相談者の話によると、「遠隔サポートによるウイルス駆除を行う」として、遠隔操作ソフトのインストールを案内された。言われるままに遠隔操作ソフトをインストールすると、何らかの遠隔操作が行われた後、有償ソフトウェアの購入を勧められたという。遠隔サポートの費用請求や遠隔操作でパソコン内のファイルに勝手にアクセスされることはなかったようだが、IPAが相談者に対し、インストールした遠隔操作ソフトを早急にアンインストールするよう勧めたことは言うまでもない。
■ウイルス検出の警告メッセージは自動再生されている
IPAによると、アクセスしたWebサイトから音声が聞こえる現象は、WebサイトでBGMを流す仕組みと同じで、警告メッセージを記録したファイルを自動的に再生するよう設定したもの。ウイルス感染の有無をチェックしてから音声を流すのではなく自動再生されているものなので、警告メッセージを聞いて慌てて電話をかけてはいけない。
IPAは、不安を感じても画面に表示された連絡先に「電話をかけないように」注意するとともに、ウイルス感染の確認はセキュリティソフトでウイルススキャンを実施する、ウイルス感染が確認された場合はセキュリティソフトの指示に従って対処するという、基本に立ち返るようアドバイスしている。また、セキュリティソフト導入のほか、利用しているソフトウェアのアップデートの実施などもウイルス感染対策として重要であり、日頃からこれらの基本対策を心がけるよう強調している。
■セキュリティ企業の6月の注意喚起、IPAの2月の呼びかけにも共通
ウイルス検出を警告する音声メッセージが流れるWebサイトは、同時期にセキュリティ企業も確認しており、6月に次のような注意喚起が出されている。
・「ウイルスが検出されました!」日本語音声で「警告」する詐欺サイトを初確認(トレンドマイクロ)
http://blog.trendmicro.co.jp/archives/11576
また、音声による警告で電話をかけるよう誘導する手口は、画面に警告を表示させてソフトウェア購入のWebサイトに誘導する手口とも似ている。
・2015年2月の呼びかけ:その警告表示はソフトウェア購入へ誘導されるかも知れません(IPA)
https://www.ipa.go.jp/security/txt/2015/02outline.html
インターネット利用者を罠にかけようとする手口はさまざまなバリエーションで展開されているので、騙されないよう注意していただきたい。
(2015/08/05 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:IPA】
・2015年8月の呼びかけ「ウイルスを検出したと音声で警告してくるウェブサイトにご注意!」 を公開しました。
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2015/08outline.html