警察庁は20日、インターネット利用者が発見したネット上の違法・有害情報の通報を受け付けるインターネットホットラインセンター(IHC)の運用状況を公表した。
今年上半期にIHCが受理した通報件数は、一般ユーザーおよびサイバーパトロール事業者からのものを合わせて7万5794件あり、前年同期比で897件減少した。このうち違法情報は1万6337件、有害情報は3048件で、違法情報は前年同期比で1655件減少、有害情報は868件増加している。
違法情報の内容をみると、前年同期比で目立って増えているのが「規制薬物の広告」で、375件から2721件へ7倍以上も増加した。「指定薬物の広告」も100件あった。不正送金などに悪用される「預金通帳の譲渡等」も243件から587件に大幅増加した。違法情報の中で最多を占める「わいせつ電磁的記録 記録媒体公然陳列」は1万4940件から3950件減少しているが、依然として1万件を超える。
有害情報では、違法行為(けん銃等の譲渡等、殺人等)を直接的かつ明示的に請負・仲介・誘引等する情報を指す「違法行為の誘因等」が前年同期比で520件減少し、1370件となった。「違法情報の疑い」は260件から1430件に5倍以上も増加、人を自殺に誘引・勧誘する情報は30件から248件へ8倍以上も増加した。
IHCはこれらの情報を受理した後、海外案件は国際的なホットライン相互間の連絡組織であるINHOPEへ通報、違法・有害情報は警察へ通報、危険ドラッグに関する情報は厚労省へも通報している。IHCから通報された違法情報により293件が検挙された。プロバイダや電子掲示板管理者等への削除依頼は、違法情報2371件の97.8%、有害情報983件の80.7%が削除された。
警察庁は今後、とくに悪質性の高い情報、海外サイトの国内関係者の取締りに注力するとともに、IHCを通じて、INHOPEに対する削除要請やフィルタリング事業者等に対する情報提供を行うなど、国内外の違法情報・有害情報対策を推進していくとしている。
(2015/10/22 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:警察庁】
・平成27年上半期の「インターネット・ホットラインセンター」の運用状況等について[PDF]
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h27/h27_ihc.pdf