高齢者の消費者被害に関する相談が全国の消費生活センターに多く寄せられている。国民生活センターによると、無料だと思いアダルト情報サイトなどに登録したところ料金を請求されたという相談や、利用した覚えのないサイト利用料を請求されたなどという相談も多い。
国民生活センターでは、敬老の日にちなんで、9月10日と11日に「ねらわれてます!高齢者悪質商法110番」を実施した。契約当事者が60歳以上の消費生活相談全般を対象に、本人および家族や周囲からの相談を受け付けた。
2日間で12件の相談が寄せられ、うち4件が通信販売に関する相談だった。有料の出会い系サイトに関する相談も、インターネット通販(インターネット等のネットワークを利用して行われる取引)としてここに含まれている。
■被害内容――いきなりの請求画面、法的手続き取るというメールも
60歳代の男性からは、パソコンでアダルトサイトを見ていたら請求画面が表示されてお金を支払ってしまったという相談が寄せられた。いきなり請求画面が表示されたので焦って業者に電話したところ、約20万円を請求され、コンビニでプリペイド型電子マネーを購入し番号をファクスで事業者に送ってしまった。その後も業者からと思われる電話があったが、出ていないという。
70歳代の男性から、スマートフォンに「サイト未納料金がある。放置すれば法的手続きを取る」という内容の簡易メールが届いたという相談もあった。身に覚えはないが相手に電話したところ、「約2カ月前にサイトに登録されており、放置されている。登録料39万8000円を支払うように」と言われた後、「裁判所からの書類を待つように」と言われて電話が切れたという。
■消費者へのアドバイス――慌てず相談を。日頃の見守りや情報収集も大切
これらの事例について国民生活センターは、身に覚えのない請求をされても慌てて支払わないこと、少しでも疑問や不安を感じた場合はすぐに消費生活センター等に相談するようにアドバイスしている。
さらに高齢者の消費者トラブルを防ぐためのポイントとして、家族や周囲による“見守り”と“気づき”を挙げ、日頃から家族や周囲の人が高齢者本人の居室や居宅の様子、言動や態度に変化や不審な点がないか気をつけてほしいと呼びかけている。自治体で実施している見守り活動などを利用する方法もあるという。
また、トラブルにあわないために、高齢者に多いトラブルの事例や手口などの「情報」を集めることが、とても有効だという。同センターでは、「今、どんな手口で勧誘が行われているのか」「どんな製品事故が発生したのか」などを知らせる、高齢者と障がい者が対象のメールマガジン「見守り新鮮情報」を配信している。同じ内容のリーフレット版もあり、こちらはイラスト入りで大きな活字が使われており、小さな字を読むのがおっくうになった方でも目を通しやすいだろう。下記関連URLに、今年作成されたリーフレット2点を挙げたので、参照していただきたい。
(2015/11/10 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:国民生活センター】
・「ねらわれてます!高齢者 悪質商法110番」実施結果
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20151030_1.html
・報告書本文[PDF]
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20151030_1.pdf
・高齢者の消費者被害
http://www.kokusen.go.jp/soudan_now/koureisya.html
・見守り情報(高齢者・障がい者・子どものトラブル防止)
http://www.kokusen.go.jp/mimamori/index.html
<見守り新鮮情報リーフレット>
・歌手の動画を見るつもりが、アダルトサイトから登録料金の請求[PDF]
http://www.kokusen.go.jp/mimamori/pdf/shinsen222.pdf
・電子マネーで支払わせる アダルトサイトの請求[PDF]
http://www.kokusen.go.jp/mimamori/pdf/shinsen211.pdf