全国銀行協会は2日、同協会に属する190行を対象に、今年7~9月のインターネットバンキングによる不正払い戻し等に関するアンケート調査を行った結果をとりまとめ、公表した。
このアンケートは、同協会の正会員・準会員・特例会員(190行)の預金者が、本人以外による不正な払戻しに気づいて申し出たものの、その振込金がすでに引出されて被害者に返還できない件数・金額について、今年7~9月の計数を取りまとめたもの。(配偶者や親族等による払戻し除く)
この3か月間の個人顧客の被害件数は265件・被害金額は2億1400万円で、法人顧客の被害件数は35件・被害金額は3億6700万円だった。法人顧客の被害は個人顧客に比べて件数は少ないものの、金額は1億5000万円以上も上回った。
直前の3か月間(今年4~6月)と比較すると、個人顧客の被害件数は308件から265件へ減少、金額も4億900万円から2億1400万円へ半減したが、法人顧客は件数・金額とも増加した。被害件数は10件から35件へ3.5倍、金額は6500万円から3億6700万円へ5.6倍も拡大している。
このアンケート調査結果を2006年分までさかのぼってみると、これまで一貫して被害件数・金額とも、個人顧客のほうが法人顧客を圧倒していた。例外として昨年7~9月の3か月間は法人顧客の被害金額が個人顧客より900万円ほど多かったが、昨年1年間でみれば、個人顧客の被害件数は法人顧客の14倍、被害金額は2.8倍だった。
法人顧客の被害の推移をみると、2012年度は1件・4億円、2013年度は36件・1億8500万円程度だったものが、2014年度は78件・4億2700万円に急増し、今年度は9月までの半年間ですでに45件・4億3200万円に達し、金額は昨年度の1年間を越えた。
なお、個人顧客の不正払戻しの補償は、この3か月の被害件数・265件のうち128件の対応方針が決定、うち補償件数は128件で、100%の補償率となっている。
(2015/12/11 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:全国銀行協会】
・盗難通帳、インターネット・バンキング、盗難・偽造キャッシュカードによる預金等の不正払戻し件数・金額等に関するアンケート結果および口座不正利用に関するアンケート結果について
http://www.zenginkyo.or.jp/abstract/news/detail/nid/5667/
・「インターネット・バンキングによる預金等の不正払戻し」等に関するアンケート結果[PDF]
http://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/news/news271202_2.pdf