オンライン上でフリーマーケットのように物品の売買ができる「フリマアプリ」について、東京都が1日、トラブルを未然に防ぐための注意喚起を行った。
スマホひとつですぐに売買ができる手軽さが受けて若い人を中心に利用が広がっているフリマアプリだが、都が公開した「フリマアプリのトラブル~個人間取引は自己責任、リスクを伴います~」によると、「購入者が受取りの手続きをしないので商品代金が受け取れない」「商品説明にないキズがあるので返品したい」などのトラブルが起きている。
都によると、フリマアプリは商品を売買する場を提供するサービスで、商品の売買契約は出品者と購入者との間で直接成立する。大手フリマアプリの規約では、商品等でトラブルが起きたら当事者間で解決する(アプリ運営会社は責任を負わない)と定められている。また、消費生活センターでは個人間取引で起きたトラブルは相談の対象外となっており、注意が必要だという。
■具体的トラブル事例~国民生活センターの資料から
フリマアプリのトラブルについては国民生活センターも資料を公開しており、以下のようなケースが紹介されている。
<購入者側からの訴え>
未使用に近いとされていたバッグを購入したところ、ほつれなどがあったので、出品者に返品を依頼したら配送事故だと言われた。出品者に代金が支払われないように受け取り手続きをせずにいたところ、出品者からさんざん脅されて恐怖を感じ、最終的に受け取り手続きをしてしまった。運営会社は、取引がすべて完了したものに介入はできないので当事者で話し合うようにと言う。
<出品者側からの訴え>
出品した服が売れたので翌日発送したが、後日、購入者から色が違うものが届いたので返金してほしいと言われた。ベージュの服を画像加工せずに出品しており返金はできないと伝えたが、購入者は届いたものは白いと言い張る。1か月たっても購入者は受け取り手続きをせず、運営会社から代金を受け取ることができない。
■「代金後払い」に近いシステム
フリマアプリを利用する場合、代金のやりとりはアプリ運営会社を通して行われることが多い。商品代金を一度運営会社が預かり、購入者が商品を受け取って確認し受け取りの手続きをすると、出品者へ代金が支払われることになる。
国民生活センターの資料ではこの仕組みについて、出品者側からみると後払いに近いシステムだと指摘している。購入者側に商品に対する不満等が発生した場合、代金受け取りに必要な手続きが行われなくなるため、商品が手元にないうえ代金を受け取れないというトラブルが出品者側に発生しやすくなる。ちなみにこうしたトラブルは、基本的に、まずは返品対応とすることで流れがスムーズになるという。
■資源を有効活用できる便利なツール~上手に使おう
都は、フリマアプリはスマホがあればすぐに始められ、持っていても使わないもの、まだ使える物を再利用し、資源を有効利用できる便利なツールだとし、利用規約をよく読んで、ルールとマナーを守って利用するよう呼びかけている。また、以下のようにアドバイスしている。
・個人間取引はリスクの伴う取引だと認識した上で利用する。
・取引相手や商品等について十分に情報を収集する。取引相手の情報はプロフィールや取引実績などで確認する。商品等についてわからないことがあれば、メッセージを通じて相手に質問する。
・購入申請や購入申請の承認はよく考えた上で行う。
・最初から高額の取引はせず、慣れるまでは少額の取引にとどめるなど、取引は慎重に行う。
(2016/02/09 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・フリマアプリのトラブル~個人間取引は自己責任、リスクを伴います~(東京都)
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/trouble/trouble50-furimaappli-160201.html
・フリマアプリによる個人間取引~買主側のトラブル~[PDF](国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201508_09.pdf
・フリマアプリによる個人間取引~売主側のトラブル~[PDF](国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201509_09.pdf