インターネットのアルバイト情報サイトで芸能事務所のエキストラ募集を見て申し込んだら、高額なレッスン契約を結ぶ羽目になり、エキストラの仕事も紹介されない――こんな相談が寄せられているとして、東京都が注意を呼びかけている。
都に相談を寄せた20歳代の女性は、アルバイト情報サイトで見つけた事務所に出向き、エキストラに登録。短編映画のオーディションを受けるよう勧められ、受験した。その後、事務所に呼び出されて、オーディションには合格したが映画に出るためにはダンスや演技のレッスンに通う必要があり、30万円の費用がかかると言われた。女性は断ったが、長時間説得されて契約してしまい、月々の支払いが負担な上に、エキストラの仕事も紹介されないという。
■情報サイトやSNSでの求人利用増加――販売目的隠して契約させるケースも
都によると、近年、インターネット上のアルバイト情報サイトやSNSの求人広告などを利用してアルバイトを探す人が増えている。希望する職種等を入力するだけで検索できるサイトもあり、申込みの手続きも簡単にできるが、トップページには簡単な仕事内容や給与、勤務地などしか掲載されておらず、詳細については別のページに記載されていることがほとんどだ。
都は、アルバイトに応募する際は、必ず事前に仕事の内容や勤務条件等をよく確認するようアドバイスしている。また、中には、応募者に商品やサービス等を販売することが目的であると思われる事業者もいるので、気を付けてほしいとしている。
この事例のように販売目的を隠して呼び出し契約をさせた場合は、特定商取引法に規定するアポイントメントセールスに該当し、同法に基づくクーリング・オフが可能だ。契約してしまっても解約できる場合があるので、困った際は、最寄りの消費生活センターに相談するとよい。
なお、都は2012年10月、インターネット上のサイト、Eメール、電話などでエキストラのアルバイト募集を行って事務所に誘い出し、タレントレッスン等の受講契約を勧誘していた芸能プロダクションに対し、6か月間の業務一部停止を命じている。
(2016/07/15 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・エキストラのバイトをするはずが、高額なレッスン契約をする羽目に!~バイトは紹介されず、オーディション合格後レッスンが必要と言われた~(東京都)
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/sodan/kinkyu/160712.html
・エキストラ募集名目で事務所に誘い出し、タレントレッスン等の受講契約を勧誘していた芸能プロダクションに業務停止命令(6か月)(東京都)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2012/10/20mag200.htm