IPA(情報処理推進機構)は4日、「夏休みにおける情報セキュリティに関する注意喚起」を発表した。「組織のシステム管理者」「組織の利用者」「家庭の利用者」それぞれに対策を呼び掛けている。ここでは家庭のインターネット利用者が気をつけたいセキュリティのポイントをご紹介したい。
■長期休暇中の対策
長期休暇の時期は、友人や家族と旅行に出かける等、いつもとは違う状況でインターネットを利用することもあると思われる。この時期に留意してほしい対策としてIPAは、「行楽等の外出前や外出先でのSNS投稿に注意」「SNSのやりとりによるトラブルに注意」の2点をあげている。
・旅行計画の書き込み、写真の位置情報やプライバシー侵害に注意
SNSで旅行の計画を書き込んだ場合、内容によっては、家を長い間留守にすることを多くの人に知らせる結果になってしまうので注意が必要だ。また、出先で撮影した写真をSNSに投稿する場合は、写真に記録される位置情報に注意を払いたい。一緒に写っている人がいる場合は、事前に投稿の許可を得よう。SNSに写真を投稿する際に気を付けたいことの詳細については、下記の関連記事をご覧いただきたい。
・SNSの知人から勧められたアプリで性的脅迫被害にあうケースも
休暇中には時間に余裕があるため、インターネットを利用する機会が増えるという方もいるだろう。SNSで、楽しくやり取りできる友人がみつかるかもしれない。SNSの利用をめぐっては、知り合った人物から言葉巧みに不正なアプリのインストールを持ちかけられ、「セクストーション(性的脅迫)」を受けたという被害が発生している。第三者に見られたら困るプライベートな写真や動画を撮影させたり、そのデータを送ったりしてはいけない。こちらも詳細については関連記事をご覧いただきたい。
■長期休暇明けの対策
休暇中にOS(オペレーティングシステム)や各種ソフトウェアの修正プログラムが公開されている場合があるため、休暇明けには修正プログラムの有無を確認し、必要な修正プログラムを適用しよう。
また、長期休暇中に電源を切っていたパソコンは、セキュリティソフトの定義ファイル(パターンファイル)が古い状態のままになっている。電子メールの送受信やウェブサイトの閲覧等を行う前に、定義ファイルを更新して最新の状態にしよう。
■日常における情報セキュリティ対策
情報セキュリティ対策をおろそかにしてしまうと、ウイルスに感染してシステムに問題が発生したり、不正アクセスによって情報が流出したりといった被害が発生する可能性がある。IPAは、こうした事態を防ぐために日常的に実施すべき対策として、以下の7点を挙げている。時間に余裕がある長期休暇中は、下記の対策がしっかりできているかどうかを点検するいい機会だ。関連URLからそれぞれについての解説を参照していただきたい。
(1)修正プログラムの適用
(2)セキュリティソフトの導入および定義ファイルの最新化
(3)定期的なバックアップの実施
(4)パスワードの適切な設定と管理
(5)メールやSNSでの不審なファイルやURLに注意
(6)スマートデバイスのアプリ導入時の注意
(7)スマートフォン等の画面ロック機能の設定
(2016/08/09 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:IPA】
・夏休みにおける情報セキュリティに関する注意喚起
https://www.ipa.go.jp/security/topics/alert280804.html
・長期休暇における情報セキュリティ対策
https://www.ipa.go.jp/security/measures/vacation.html
・日常における情報セキュリティ対策
https://www.ipa.go.jp/security/measures/everyday.html