9月から10月にかけて、オンラインゲームのチート(ずる)行為にからんだ摘発が相次いだ。換金性の高いゲームのアイテムやキャラクターは、反社会勢力の資金源になることもあり、チートツールの配布やそれを使ったアイテムなどの不正入手、パラメータの不正改ざんなどの行為は、犯罪として立件されることがある。
■9月23日(千葉県警)
チートツールを使いミクシィが運営するオンラインゲーム「モンスターストライク」に不正なデータを送信したとして、群馬県、埼玉県、富山県の男性4人を、「私電磁的記録不正作出・供用」の疑いで千葉地検に書類送検した。
■9月29日(千葉県警)
先の事件にからみ、男性らにチートツールを使えるようにシステムを改変(「脱獄」と呼ばれる処理)したiPhoneを販売していた富山県の男性を、私電磁的記録不正作出・供用のほう助罪での立件を視野に、商標法違反の疑いで逮捕した。
■10月4日(奈良県警)
チートツールを使い、カプコンが運営する「モンスターハンターフロンティアG」のアイテムの不正入手代行を行ったとして、奈良県の男性を私電磁的記録不正作出・供用の疑いで逮捕したと発表した。男性は、愛知県と千葉県の男性から請け負い、彼らのゲームデータを改変したという。
■10月13日(警視庁)
チートツールを使い、スクウェア・エニックスが運営する「ドラゴンクエストX」に不正な指示を出して希少なアイテムを不正入手したとして、山口県の高校生など男女4人を私電磁的記録不正作出・供用罪で、4人にチート行為を教えた東京都の男性を同ほう助罪で書類送検したと発表した。
このチート行為は、ネット掲示板で昨年10月に話題になり、翌月同社から警察に相談して捜査を進めていたもの。同社は、関与した29件のアカウントを永久停止処分にしたとしている。
各社の規約で禁止しているチート行為は、発覚すればアカウントの停止処分になるだけでなく、違法性があれば刑事事件として扱われ処罰されることがある。ゲーム運営会社に損害が発生すれば、損害賠償請求される可能性もある。チートツールなどを提供する行為も同様だ。たかがゲームの中のことと考えて手を出すと、実社会で取り返しのつかない事態になるので、くれぐれも注意していただきたい。
(2016/11/01 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・チート行為はやめましょう!(警視庁)
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/cyber/notes/cheat.html
・不正プログラム(チートツール)利用によるチート代行者の逮捕に関するお知らせ(モンスターハンターフロンティアG)
http://cog-members.mhf-g.jp/sp/news/11596.html
・不正行為および、それを拡散する行為について(ドラゴンクエストX)
http://hiroba.dqx.jp/sc/topics/detail/65cc2c8205a05d7379fa3a6386f710e1/