実在する業者の名でSMS(ショートメッセージ)を送り、電話をかけさせようとする架空請求の手口で、ヤフーをかたるSMSの相談が増えているとして、東京都や消費者庁が注意を呼びかけている。
実在する業者名で有料動画名目のSMSを送り付ける架空請求は、2014年頃から頻繁に見られるようになった。当初は、業者名に偽のFC2がよく使われ、翌2015年には偽U-NEXTや偽DMMが登場。今年5月ごろからは、偽Yahooが加わった。
問題のSMSは、「有料動画閲覧履歴があるため、本日中に登録解除いただけない場合、身辺調査及び法的措置へ移行となります」などの文面に、「Yahoo相談窓口」や「Yahoo総合窓口」「Yahoo総合受付」などの名前と、主に「03」で始まる電話番号を記載したもの。記載された名前も電話番号も、実在するヤフー株式会社とは全く無関係だ。
発表文によれば、不安を覚えたユーザーが記載した電話番号に電話をかけると、偽Yahooは、「有料動画サイトに登録があり、延滞料金等の未払い料金が25万円ある」と欺き、「既に弁護士に依頼し、裁判の手続を進めている」「穏便にすますので発生日から本日までの未納料金25万円を一旦振り込んでもらいたい。いずれ過払金として返金する」などと告げて支払いを求めるという。
インターネットを使った最近の架空請求では、コンビニなどでアマゾンのギフト券を購入させ、ギフト券の番号を伝えるよう指示する支払い方法が主流だ。本件の偽Yahooもこの支払い方法を求めるそうで、未払料金があるのではないかと不安になったユーザーが、後で支払った金額のほとんどが返還されるのであれば支払ったほうが厄介にならないと思い、指示に従ってしまうという。ところが、支払ったお金が返ってくることはなく、その後も他の有料動画サイトの未払い料金の名目で支払い要求が続くこともあるという。
このSMSは、不安を感じて電話をかけて来る人を狙った詐欺なので、心当たりのある人もない人も、決して記載された電話番号に電話をかけてはいけない。ギフト券の購入や支払いを求めて来るのも詐欺なので、絶対にギフト券を購入したり、番号を教えたりしてはいけない。
12月に入ってからは、株式会社DMM.comを装う「DMM相談窓口」や、日本債権回収株式会社に似た「(株)日本債権」などの名で、有料動画名目のSMSがばらまかれているようなので、騙されないよう注意していただきたい。不審なSMSやメールを受け取った場合には、「相手に電話をしない」「請求に応じない」を徹底し、消費者ホットライン(188)や警察相談電話(#9110)に相談することをおすすめする。
(2016/12/27 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・SMSで身に覚えのない未払い料金を請求する架空請求事業者「偽ヤフー」にご注意ください(東京都)
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/torihiki/shobun/shobun161222.html
・SMSを用いて有料動画の未払料金の名目で金銭を支払わせようとする「ヤフー株式会社をかたる事業者」に関する注意喚起[PDF](消費者庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/pdf/161222adjustments_1.pdf
・利用した覚えのない請求メールが来た(ヤフー)
https://www.yahoo-help.jp/app/answers/detail/p/533/a_id/43786
・SMSを用いて有料動画サイトの未払料金名目等で金銭を支払わせようとする「株式会社DMM.comをかたる事業者」に関する注意喚起(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/pdf/160118adjustments_1.pdf
・DMMを装った架空請求について(DMM)
https://terms.dmm.co.jp/fictitious/
・SMSを用いて有料動画の未払料金名目で金銭を支払わせようとする「株式会社U-NEXTをかたる事業者」に関する注意喚起(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/pdf/160725adjustments_2.pdf
・架空請求詐欺について(日本債権回収)
http://www.japanservicer.co.jp/etc/kaku.html