アップルは26日、Mac用新OS「macOS High Sierra v10.13」とWindows用iCloudクライアントソフト「iCloud for Windows 7.0」を公開した。いずれも深刻な脆弱性の修正が含まれている。
■Mac用新OS「macOS High Sierra v10.13」
macOS High Sierra(v10.12)の後継となるMac用新OS「macOS High Sierra(マックオーエスハイシエラ)」では、従来のファイルシステム「HFS+(Hierarchical File System Plus)」を約20年ぶりに一新したファイルシステム「APFS(Apple File System)」の採用などの新機能に加え、43件(同梱のSafariを除く)の脆弱性が修正されている。修正された脆弱性には、マルウェア(ウイルス)感染やシステムの乗っ取りに悪用されるおそれのある危険な問題も含まれている。
公開中のセキュリティ情報には、脆弱性の影響範囲についての記載がないが、macOS Sierra(v10.12.6)やOS X El Capitan(v.10.11.6)に影響し、準備が整い次第それぞれの「セキュリティアップデート」が公開されるとみられる。Yosemite(v10.10.5)以前のOS Xについては、更新される見込みがないので、セキュリティアップデートが提供される上位版にアップグレードするか、使用を中止することをお勧めする。
macOS High Sierraは、App Storeで無料提供されており、OS X Mountain Lion(v10.8)以降が稼働する、MacBook(Late 2009以降)、MacBook Pro(Mid 2010以降)、MacBook Air(Late 2010以降)、Mac mini(Mid 2010以降)、iMac(Late 2009以降)、Mac Pro(Mid 2010以降)で利用できる。
自分が使用している機種は、Appleメニューの[このMacについて]の[概要](OS X Mavericks以前は[詳しい情報])で確認できる。機種によって使用できる機能などが異なるので、詳細は下記「macOS High Sierra」のページの「アップグレード方法」を参照していただきたい。
<関連URL:アップル>
・macOS Hoigh Sierra
https://www.apple.com/jp/macos/high-sierra/
・About the security content of macOS High Sierra 10.13
https://support.apple.com/ja-jp/HT208144
■iCloud for Windows 7.0
アップルのオンラインストレージサービス「iCloud」のWindows用クライアントソフト「iCloud for Windows 7.0」では、Webページを描画するレンダリングエンジン「WebKit」の脆弱性22件が修正されている。細工されたコンテンツの閲覧で、マルウェアに感染するおそれのある脆弱性の修正が、多数含まれている。
最新版への更新は、一緒にインストールされている「Apple Software Update」で行えるほか、同社のサイトからダウンロードすることもできる。
<関連URL:アップル>
・iCloud for Windows 7.0
https://support.apple.com/ja-jp/HT208142
■iTunes 12.7
最新版が13日に公開され、詳細は後日追記予定となっていたMac用とWindows用の「iTunes 12.7」の情報が公開された。Mac用では、iTunes経由でiOSのバックアップにアクセスされる可能性のある問題1件が修正されている。Windows用では、iCloud for Windows 7.0と同じWbKitの脆弱性19件が修正されている。
<関連URL:アップル>
・iTunes 12.7
https://support.apple.com/ja-jp/HT208140
・iTunes 12.7 for Windows
https://support.apple.com/ja-jp/HT208141
(2017/09/26 ネットセキュリティニュース)