国民生活センターは9日、不要になった品を梱包して業者に送付し査定、買い取りをしてもらう「宅配買取サービス」をめぐり、ウェブサイト等をきっかけにサービスを利用してトラブルになったという相談が増加しているとして注意を呼びかけた。
同センターによると、2011年度に寄せられた相談は132件だったが、年々増加し、昨年度は314件に上った。今年度は9月末までの段階で251件の相談が寄せられており、昨年の同時期(132件)を大きく上回っている。
契約当事者の年代は30歳代と40歳代で半数を占めているが、若年層からの相談も目立っている。送った商品は漫画本などの書籍類や、衣服類、DVDソフトやCDソフトが多かった。
20歳代の女性は今年6月、インターネットで買い取り業者を検索し、期間限定で買い取り価格アップなどと記載があるサイトに、未開封、未展示のフィギュア4点の買い取り査定を申し込んだ。目安の価格が9000円になったので品物を送付したところ、実際の入金額は1000円強だったという。
40歳代の女性は昨年5月、査定に不満があれば商品を送り返してくれるという業者をネットで見つけ、洋服やおもちゃ等を10箱送付。その後1か月連絡がないので問い合わせたところ、「2度電話をしたが出なかったので商品は処分した。全商品査定が0円だった」と言われたという。
ほかに、中古本の査定額がその業者のサイトにあった目安の買い取り額より安かったため、返却を申し出たら、送料9000円を負担するよう言われたというケース、古本を査定に出したところ結果は0円で、「返送」にも「処分」にも費用を請求する取引条件だと言われたというケースや、着物を送ったが査定額の連絡が来ず、電話もつながらないというケースなどがある。
国民生活センターは、宅配買い取りサービスは比較的新しいサービスであり、利用にあたっては注意が必要だとして、消費者に以下をアドバイスしている。
・宅配買い取りに向く商品と向かない商品がある。「処分したいが廃棄するのはもったいない」という商品の処分や査定には便利だが、思い入れの強いものや、自分が売りたい価格が決まっているものには不向きと思われる。
・一見高額で買い取られると思わせる表示があっても、条件を細かく確認する。即断せず、他の事業者のウェブサイト等にも目を通すなどして取引条件をよく確認する。特に、査定価格に納得がいかなかった際の返送料を確認しておく。
・送付する商品の記録を作っておく。
・トラブルにあった際には消費生活センターに相談する。消費者ホットライン(局番なしの188)に電話すると、最寄りの消費生活センター等を案内してもらえる。
なお、同センターでは、「『宅配買い取り』の利用前にチェックすること」というチェックリストを公開している。下記関連URLの「報告書本文」末尾に掲載されている。
(2017/11/10 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・宅配買い取りサービスのトラブルが増加しています!-段ボールひと箱分でも数十円!?「手軽に高額査定」のはずが…-(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20171109_1.html
・報告書本文[PDF](国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20171109_1.pdf
・消費者ホットライン 案内チラシ[PDF](消費者庁)
http://www.caa.go.jp/region/pdf/150624_kouhyou_1.pdf