クリスマスが近づき、プレゼント用の品をネット通販で購入しようと考えている方も多いだろう。年明けには、お年玉をもらった子どもたちが、前から欲しかったグッズを少しでも安く買えるよう、ネットショップを探し回るかもしれない。手軽で便利なネットショップだが、安全に利用するためには注意しなければならないポイントがある。
東京都は11月22日、インターネット通販で商品を申し込み、代金を支払ったのに商品が届かないという相談が多く寄せられているとして注意を呼びかけた。
都が公開した相談事例によると、40歳代の男性はネット通販で洋服を注文し、「入金確認後、発送する」とあったので代金を指定口座に振り込んだ。注文の際、サイトにはクレジットカードが使えると記載されていたが、支払方法の「クレジットカード決済」をクリックしても開けず、銀行振込みしか選択できない状態だったという。結果、商品は届かず、何度もメールで問い合わせたが返事はなかった。
40歳代の女性は、ネットで花切り鋏を検索し、見つけた通販サイトで注文。通販業者からのメールに記載されていた口座に代金を振り込んだが、商品が届かなかった。業者に連絡を取ろうとしたが、サイトに記載されていた電話番号は桁数が一つ足りない不正なもので、改めて確認したところ、口座が通販業者名とは別の個人名義のものであることと、サイト記載の住所が全く別の会社の所在地だということがわかったという。
都は、代金の支払方法が「前払い、銀行口座振込み」に限定されている通販サイトでトラブルが発生していると指摘している。代金前払いの場合は支払ってしまうと被害の回復が非常に困難だ。都は、注文前にカード決済や後払いなどの支払方法を選択できるかどうかを確かめることと、振込先口座の名義人を確認することを呼びかけている。名義人が事業者名やネットショップ名とは異なる個人名義だったり、外国人名義だったりした場合は注意が必要だ。
都はさらに、商品を注文する前に、事業者情報の記載があるかどうか、またそれらが実在する住所や電話番号であるかなどを確認することも呼びかけている。通信販売では法令により、広告に事業者の氏名(名称)、住所、電話番号などの情報を記載することが義務付けられている。連絡先がメールアドレスのみの場合は、連絡が取れなくなるおそれがあるので注意が必要だ。
消費者庁や日本通信販売協会でも、詐欺的なネット通販について注意を喚起している。下記の関連URLに挙げたので参考にしていただきたい。
詐欺的なネット通販に注文をしてしまった場合、金銭的な被害を受けるだけでなく、個人情報を悪用されてしまうおそれもある。都では2014年3月、過去に不審な通販サイトを利用したことのある人から、「知らない間に通販サイトの運営者として名前を使われ、そのサイトを利用した人から代金の返還請求を受けた」という相談が寄せられているとして、情報を公開している。
万が一、ネット通販を利用してトラブルにあった場合は、消費者ホットライン(局番なしの188)に電話すると、最寄りの消費生活相談窓口を紹介してもらえる。
(2017/12/18 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・代金前払いのネット通販、支払ったのに商品が届かない!~注文の際は、事業者の情報をよく確認しましょう!~(東京都)
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/sodan/kinkyu/171122.html
・インターネット通販トラブル(消費者庁)
http://www.caa.go.jp/adjustments/internet_trouble/internet.html
・通販110番(日本通信販売協会)
http://www.jadma.org/consumers/dm110/
・怪しいサイトの見分け方[PDF](日本通信販売協会)
http://www.jadma.org/tsuhan-kenkyujo/files/cope.pdf
・消費者ホットライン188チラシ[PDF](消費者庁)
http://www.caa.go.jp/region/pdf/150624_kouhyou_1.pdf