国際記念日の「Safer Internet Day」(2月6日)に合わせ、マイクロソフトがオンラインリスクの経験とその影響に関する最新調査の結果を発表した。調査対象の23か国の中で、日本は「オンラインリスクを経験したことがある」とした人が最も少なかった。
調査は2017年5月から6月にかけて、13歳から74歳までのインターネットユーザーを対象にWebベースで実施された。以下の20種類のオンラインリスクが調査対象となっている。
・迷惑行為:迷惑な接触、詐欺行為、ヘイトスピーチ、差別行為、女性蔑視、テロリズムへの勧誘
・性的嫌がらせ:セクスティング(性的なメッセージ)の受信、性的誘惑、セクスティングの送信、セクストーション(性的脅迫)、リベンジポルノ
・いじめ:誹謗中傷、オンラインハラスメント、あおり行為、ネットいじめ、スワッティング(虚偽の通報)、マイクロアグレッション(無自覚の差別)
・名誉棄損:ドキシング(さらし行為)、個人の名誉棄損、職業上の名誉棄損
日本でのオンラインリスクの経験数は、世界平均よりも28ポイント低い37%だった。20のリスクのうち、日本で経験数が最も多かったのは迷惑な接触と詐欺行為で、ともに13%。以下、セクスティングの受信(12%)、誹謗中傷(10%)が続く。
調査結果で注目されているのが、リスク経験者のうち日本で21%、世界平均で36%が、家族、友人、知人が関与していたと回答している点。報告書では、「多くの人がオンラインのリスクはインターネットの匿名性を悪用していると考えている」が、実際は「知人が加害者のこともよくある」と指摘されている。
加害者と実世界で繋がりがあれば、その後、何らかの影響を及ぼす可能性もある。「自分自身、あるいは友人や家族がオンラインリスクを経験した後に、悪影響が残ったか」という質問には、日本では61%、世界平均では68%が「影響が残った」と答えた。日本の回答者で最も多かったのは「うつ状態になった」39%で、以下、「よりストレスを感じるようになった」28%、「加害者を避けるために時間と労力を費やした」26%、「オンラインで他人が信頼できなくなった」22%となっている。
また、日本の回答者の44%が、最もやっかいなリスクとしてドキシング(さらし行為)を選択している。次に多かったのは詐欺行為で32%だった。
オンラインのリスクを経験したときに必要な支援をどこで得られるのかわからないとした人は、日本では43%、世界平均では30%だった。
(2018/02/16 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:マイクロソフト】
・マイクロソフト、オンラインリスクとその影響に関する最新調査を公開 ー
Digital Civility Index(DCI)において、多くのネットの不適切行為は交友関係よ
り発生することが判明
https://news.microsoft.com/ja-jp/2018/02/07/blog-microsoft-digital-civility-study/
・Microsoft Digital Civility Index (DCI) 2017 - 日本[PDF]
https://ncmedia.azureedge.net/ncmedia/2018/02/DCI_Japan_report-_180207.pdf
・Microsoft digital civility study shows online abuse often comes from people’s own social circles[英文]
https://blogs.microsoft.com/on-the-issues/2018/02/06/microsoft-digital-civility-study-shows-online-abuse-often-comes-peoples-social-circles/