消費者庁は19日、在宅ワークをうたいホームページ作成料などの名目で多額の金銭を支払わせていたとして、事業者2社を公表し注意を呼びかけた。被害総額は4400万円にのぼるという。
同庁が公表したのは、Social Net(ソーシャルネット)とSmart Plan(スマートプラン)の2社だが、会社の実態はないという。
2社は、ウェブサイトで「手軽に在宅・副業!誰でも収入UP!」「特別なスキルは一切不要!」「報酬は即日入金可能!」などと宣伝し、希望者に研修と称してキャッチコピーを作成させる。業者は、あたかも反響があったかのように見せかけて在宅ワークを始める気にさせ、契約の段になると突然、ホームページ作成料などの名目で約50万円を請求するという。その後、ホームページの改良などの名目で、約500万円の追加費用を請求された人もいたそうだ。
残っているスマートプラン社のサイトによると、同社があっせんするとしていた業務内容は、指定した店舗、商品の紹介文章やキャッチコピーを作成するライティング作業だという。同庁からのアドバイスは、下記リンク先のPDFをご覧いただくとして、同業者としての見解を付け加えておきたい。
文章を作成する仕事では、取材費などの建て替えは多少あるが、事前に費用を請求されるようなことはない。何らかの支払いを要求されたなら、副業詐欺を疑おう。費用の名目には、ホームページ作成のほかにも研修費、教材費、機材費などさまざまなバリエーションがある。本件の2社以外にもネット上の詐欺師は多く、雲隠れしてしまったこの2社も、名前を変えて同じことを繰り返す可能性が高い。くれぐれも副業詐欺に騙されないよう、注意していただきたい。
少しでも不審なところがある場合には、最寄りの消費生活相談窓口を案内する消費者ホットライン(局番なしの188)や、警察の相談窓口(#9110)に電話すると、いつでも相談に乗ってもらえる。
(2018/02/20 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・在宅ワークを希望する消費者にホームページ作成料等の名目で多額の金銭を支払わせる在宅ワーク事業者2社に関する注意喚起[PDF](消費者庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/pdf/consumer_policy_information_180219_0001.pdf
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