災害が発生したとき、インターネットは情報を受発信するために役立つが、残念なことにデマの拡散や詐欺行為にも使われてしまう。
■飛び交う不審メール、「偽募金サイト」へ誘導するものも
携帯会社を装った「地震情報」や、気象協会をかたる「土砂災害にご注意ください」、日本ユニセフを装う「ご協力ください」といった不審なメールが出回っている。「警戒対象地域」「募金を受け付けています」といった短い本文にサイトのアドレスが書かれたものや、サイトのアドレスだけが記載されたものが多い。
不審メールの多くは、記載されたURLをクリックさせたり、記載した連絡先に返信や問い合わせをさせたりすることを狙っている。そうした誘導にのらず、無視することが一番の対策となる。過去には、地震速報というメールを受信して詳細情報とされているアドレスをクリックしたところ、出会い系サイトにつながり料金を請求されたなどというケースもある。注意していただきたい。
「Yahoo!ネット募金」の偽サイトへ誘導するメールも見つかっている。件名は「Yahoo!ネット募金 - 【西日本豪雨】平成30年7月豪雨緊急災害支援募金。」と書かれており、本文では「Yahoo!基金では被災地や被災地の住民の方を支援するために緊急災害支援募金を立ち上げました。」と述べ、偽の募金サイトへ誘導。クレジットカードでの募金を受け付けるとして、カード情報を記入させ、盗み取ろうとしている。11日午後の段階でも偽サイトは稼働中なので、だまされないよう注意していただきたい。
・当社をかたるフィッシングメール、不正メールにご注意ください。(Yahoo!セキュリティセンター)
https://security.yahoo.co.jp/news/0005.html
・Yahoo! JAPANカスタマーサービスのツイート
https://twitter.com/Yahoojp_CS/status/1037895324411424768
■デマ情報がSNSで拡散、「信頼できる情報源」で真偽の確認を。
6日未明に北海道で発生した大きな地震に関しては、当日午前中から「あと4時間程度で携帯電話が使えなくなる」「札幌市内全域が6時間後に断水となる」といったデマがSNSで広がり始めた。ある政党の公式ツイッターアカウントは、所属議員の事務所からの情報として、「旭川市内の一部が断水になるかもしれない。お風呂に水をためる等、準備を」などとツイートした。その後、旭川市役所の公式ツイッターで断水の心配はない旨の投稿があり、この政党も翌日、情報はデマだったと謝罪のツイートをした。
8日には、自衛隊や消防署の人から聞いたとして「苫小牧の方で地響きが鳴っているので〇時間後に大きい地震が来る」という情報がツイッターで広まった。苫小牧市は、被害の大きかった厚真町に隣接しており、不安になった人から問い合わせが多数寄せられたことから、市では9日、ホームページにこのデマに関する注意喚起を掲載した。
こうしたデマに関し、内閣府は「災害時には、インターネット上に根拠のない不確実な情報いわゆるデマが投稿されることがあります。公共機関の情報を確認するなど、こうした情報に惑わされないよう注意してください。」とツイッターで呼びかけている。
総務省から委託を受けて迷惑メールに関する相談や情報を受付けている迷惑メール相談センターは、災害時のデマに関して情報を集めたページを公開している。同センターは、報道や行政機関のウェブサイト等の信頼できる情報源で情報の収集に努め、真偽を確かめて、冷静に対処して欲しいと呼びかけている。
・内閣府(防災担当)のツイート
https://twitter.com/CAO_BOUSAI/status/1037538251299479552
・災害に関連するデマ情報に注意しましょう(迷惑メール相談センター)
https://www.dekyo.or.jp/soudan/contents/eq/index.html
・札幌市水道局 9月6日の地震による断水・給水情報
http://www.city.sapporo.jp/suido/riyosya/saigai/dansui.html
・旭川市役所のツイート
https://twitter.com/asahikawa_jp/status/1037518064042930176
・苫小牧市 災害警戒・対応状況
http://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/kurashi/bosai/jishin/keikai/saigaikeikai.html
(2018/09/11 ネットセキュリティニュース)