国民生活センターは6日、同センターのホームページ上に開設されている「消費者トラブルメール箱」に2017年度に寄せられた情報の概況を発表した。寄せられた情報は1万245件で、大手通販サイトなどをかたる架空請求に関するものが目立った。
同センターによると、「トラブルメール箱」はインターネットを用いた情報収集システムのため、例年、インターネット通販に関するものや情報通信関連の情報提供が多いのが特徴。センターでは寄せられた情報をもとに、一般的な対応方法や各種相談先の情報を提供するFAQのコーナーを設置している。被害拡大が考えられるものや、新商品や新たな手口にまつわる情報については、情報提供者や事業者への追跡調査も行っている。
トラブルメール箱に情報を送信した人を見ると、59.3%が男性だった。また、年代別では40歳代(34.8%)と30歳代(26.0%)で約6割を占めている。2017年度に寄せられた情報の件数(1万245件)は、2016年度(9387件)を大きく上回った。一日当たりの受信件数は28件だった。以下、寄せられた情報のうち、インターネットが絡んだものについて見てみよう。
●SMSで届く架空請求――「有料動画料金が未納、法的措置とる」
利用した覚えのない「コンテンツ利用料」や「サイト利用料」などといった名目で請求メールが届く事例が、相変わらず寄せられている。2017年度は、「大手通販サイトをかたって『有料動画の料金が未納、本日付で連絡しないと法的措置をとる』という文面の請求メールがSMSで届いた」などという事例が目立った。
●ネット通販トラブル:「商品が届かない」「模倣品が届いた」「連絡不能」
インターネット通販に関しては、前払いに関する商品の未着や連絡不能といったトラブルの情報提供が前年度に続いて多く寄せられた。中でも、「業者に繰り返し電話をしてもつながらず、住所も特定できない」「注文したものとは違う模倣品と思われる商品が届いた」など、悪質な通販会社による詐欺的なトラブルと考えられるケースが目立った。
●ネット通販トラブル:「お試し」のはずが「定期購入契約」に
健康食品や化粧品のインターネット通販において、「お試し」ということで通常価格より安い価格で購入したところ、実際は定期購入の契約をしたことになっており、思ってもみない金額を請求されたという情報も引き続き寄せられた。
●情報商材トラブル:「簡単にお金が稼げる」はずが「全然稼げなかった」
「お金のもうけ方」や「異性にモテる方法」などさまざまなノウハウを提供すると称する「情報商材」についての事例も寄せられており、「内容が理解できず使い物にならない」「簡単にお金が稼げるとのことだったが、全然稼げなかった」などといったトラブルが目立った。
●オンラインゲームやアプリのトラブル
オンラインゲームやアプリについては、ゲーム運営事業者の対応に関する不満、「ガチャ」等の課金や表示に関するトラブルや、フリマサイトなど個人売買の仲介をするアプリで行う個人間取引のトラブルなどが目立って寄せられた。
●海外旅行予約でもトラブル
「旅行会社のサイトで海外格安航空券を申し込んだが、自分で記入した英字氏名のつづりがパスポートと異なっていたため航空券の再予約が必要と言われ、数万円の変更手数料を求められた」「代行業者のサイトとは気付かず、ESTA(米国への電子渡航認証)の申請手続を行い、数千円の費用がかかってしまった」といったトラブル事例も寄せられている。
追跡調査を実施した事案の中には、「IDとパスワードを失念した際のオンライン大学受験講座の解約方法がわかりづらい」というもの、「化粧品の定期購入サービスでサイト上に解約方法について記載がない」というものなどがあった。
(2018/09/11 ネットセキュリティニュース)
【関連URL:国民生活センター】
・「消費者トラブルメール箱」2017年度のまとめ
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20180906_2.html
・報告書本文[PDF]
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20180906_2.pdf
・消費者トラブルメール箱
http://www.kokusen.go.jp/t_box/t_box.html
・メールでよくある情報提供と回答
http://www.kokusen.go.jp/t_box/t_box-faq.html