日本気象協会は5日、同協会や、同協会が運営する天気予報専門メディア「tenki.jp」を装った迷惑メールや詐欺メールが不特定多数の人に送信されているとして注意を呼びかけた。
同協会では「tenki.jp」などを利用している個人ユーザーのメールアドレスを保有しておらず、案内を送ることもないとして、緊急の気象変化に関する通知を装ったメールが届いた場合は、記載されているリンクをクリックせずに削除してほしいとしている。また、災害通知を装ったSNSの投稿などについても、注意を呼びかけている。
同協会は送り付けられているメールの例として以下を挙げている。
<例1>日本気象協会または「tenki.jp」から発信されているように装い、『台風は最悪のコースへ。今後の動向にご注意下さい。』という説明とともに詳細情報を装ったURLが貼ってある。
<例2>日本気象協会または「tenki.jp」から発信されているように装い、『この先24時間でお住まいの地域が冠水する危険性があります。ご注意ください。』という説明とともに詳細情報を装ったURLが貼ってある。添付ファイルが付いている。
例1の「台風は最悪のコースへ」という内容のメールについて当編集部でリンク先を確認したところ、800万円が当たったので口座情報を送信するようにと誘うページだった。
気象や災害に関するものも含め、国内でのタイムリーな情報をからめた迷惑メールは、ほとんどが出会い系サイトのキャンペーンメールだ。このメールも、ポイント制の出会い系サイトに登録させようとするものだった。
なお、こうした迷惑メールに記載されているURLには、そのメールを受信したメールアドレスが埋め込まれている。URLをクリックすると、メールアドレスが現在使われているものであることが送信者に伝わり、その後、迷惑メールが大量に送り付けられることになる。SNSなどで「こんな迷惑メールが届いた」として画像を添えて注意を呼びかける善意の方がいらっしゃるが、投稿を見た人がURLを開いた場合でも、あなた宛ての迷惑メールが増加することになる。URLの部分は隠して投稿することをおすすめする。
■災害に便乗する不審なメール、こんな例も
国民生活センターが4日に公表した「『平成30年7月豪雨』で寄せられた消費生活相談情報-発生2カ月にみる相談の推移-」では、スマートフォンに届いたメールについての相談事例が紹介されている。60歳代の女性のスマートフォンに、利用している大手携帯電話会社を名乗る業者から「7月豪雨災害見舞いと復旧のための義援金に関する口座振替日および お支払金額確定のご案内」というメールが届いたという相談で、約2万円を登録口座に入れるように書かれ、URLが表示されていたという。
消費者庁が公表している「災害に関連する主な相談例とアドバイス」では、以下の相談事例や情報が紹介されている。
・携帯電話に義援金の申込みについてのメールが届いた。「受付ありがとうございます」とあるが、どう対応すればよいのか。(Q4-4)
・携帯電話に災害情報サイト利用料を請求するメールが届いた。すぐ支払わないと訴えると書いてある。無視してよいのか。(Q4-7)
・平成30年7月豪雨や平成30年北海道胆振東部地震の被災地支援で、民間の団体による義援金募集に関連して、フィッシングメールが届いている等の注意喚起がなされている(Q4-2 ※2)
義援金募集に関連するフィッシングについては、9月11日に当通信でもお伝えしている。クレジットカード情報やWebMoneyのプリペイド番号をだまし取ろうとする「Yahoo!ネット募金」の偽サイトが7月以降、何度か見つかっており、9月末にも「7月豪雨緊急災害支援募金」の偽サイトへ誘導するフィッシングメールがばらまかれた。今後も同様のフィッシングが行われる可能性があるので、だまされないよう注意していただきたい。
(2018/10/09 ネットセキュリティニュース)
【関連URL】
・日本気象協会を装った迷惑メールにご注意ください(日本気象協会)
https://www.jwa.or.jp/news/2018/10/post-001087.html
・「平成30年7月豪雨」で寄せられた消費生活相談情報-発生2カ月にみる相談の推移-(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20181004_1.html
・災害に関連する主な相談例とアドバイス[PDF](消費者庁)
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/pdf/consumer_policy_caution_180928_0001.pdf