セキュリティ対策をとっていない無防備な無線LANが、ネット犯罪に悪用される事例が相次いで報告されている。
●楽天市場の顧客情報流出事件、無防備無線LANを使って不正アクセス
楽天のサーバに不正にアクセスし、楽天市場の店舗「AMC」を運営するセンターロードの取引情報を不正に入手していたとして、センターロードの元社員が不正アクセス禁止法容疑で逮捕された事件で、元社員は不正アクセスに無線LANを悪用していたという。
10月27日付けの毎日新聞記事『逮捕の男「数万件、業者に転売」別の流出事件も関与?』では、容疑者は「発信元として割り出されるのを避けるため、自宅から離れた台東区のJR上野駅周辺の商店街などにパソコンを持ち出して無関係の会社や商店の無線LANに侵入、接続履歴に痕跡が残らないようにしていた」と伝えている。
●仙台の女児殺害予告男、エイベックス社員殺害予告と無線LAN悪用を供述
インターネットの掲示板「2ちゃんねる」に、仙台市の小学4年女児の殺害予告を書き込んだとして、東京都江東区の専門学校生(23)が脅迫容疑で逮捕されている。報道各紙によると、この専門学校生は、「のまネコ」問題に絡んだエイベックス(東京都港区)の社員殺害予告についても、書き込んだのは自分だと供述しているという。
11月2日付けの河北新報記事『エイベックス脅迫 容疑者 無防備無線LAN悪用』では、容疑者は「無線LANを利用している個人宅のそばに移動。屋外に漏れる電波を拾い、掲示板に投稿したとみられる」「女児殺害予告も、無線LANを導入している東京都内の商社のビルに近づいてLANに接続し、書き込みを遂げた」と伝えている。
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ネット犯罪では接続記録から足がつくのを避けるために、ネットカフェや第三者の無防備な無線LANなどがしばしば利用される。無線LANは、ケーブル不要の簡単接続が大きな特徴だが、十分なセキュリティ対策をとっていないアクセスポイントは、悪意のある第三者に格好のホットスポットを提供してしまうことになる。
(2005/11/04 ネットセキュリティニュース)
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