電気通信事業者団体等で構成される「プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会」は13日、昨年10月に改定した「名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン」がこの1年間どのように運用されたかを、「法務省人権擁護機関からの情報削除依頼対応プロセスの運用状況」としてまとめ、公表した。
同ガイドラインは、インターネット上で起こった重大な人権侵害行為で、被害者が対応困難と認められるものについて、法務省人権擁護機関からプロバイダ等に公文書で削除依頼をする際の手続きを定めたもの。
発表資料によると、昨年10月から今年9月までの1年間で、法務省人権擁護機関がインターネットによる人権侵犯事件として受理した名誉毀損は104件、プライバシー侵害は88件あった(速報ベース)。そのうち同機関がプロバイダ等に削除を依頼したのは、名誉毀損3件、プライバシー侵害15件の計18件で、このうち同ガイドラインに基づいて削除依頼を行ったのは6件にとどまった。
同協議会は、ガイドラインが趣旨に沿って適切に運用されていると評価しながらも、ガイドライン運用が3分の1と低率であることを「今後の課題」としている。運用が低率であるおもな原因は、削除依頼書の送付先が判明しないことにあるといい、そのような場合は、当該プロバイダ等が指定する掲示板上で削除依頼を行うなどの方法によらざるをえないという。
(2005/12/16 ネットセキュリティニュース)
■ 「プロバイダ責任制限法 名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン」法務省人権擁護機関からの情報削除依頼対応プロセスの運用状況(テレコムサービス協会)
http://www.telesa.or.jp/consortium/provider/2005/20051213.htm