社会保険庁は5日、職員が国会議員やタレントらの年金個人情報を業務に関係なく閲覧していた問題について、昨年1年間で3,021人がのべ4,247件の年金情報を業務目的外で閲覧していたという報告をまとめた。閲覧した職員を停職も含めた処罰の対象としている。
同庁は、昨年1月から12月までの間に個人情報の閲覧が可能だった全職員約2万8,000人(非常勤含む)について、オンライン通信履歴の記録をもとに調査した。その結果、業務外閲覧を行ったことを認めたものは1,574人、オンライン履歴が残っているが自分が閲覧したことを否定しているものは1,447人。閲覧対象は国会議員や著名人、友人や知人で、閲覧理由は大半の1,524人が「興味本位」と答えている。なかには1人で66回も閲覧したケースもあった。また、23人が閲覧した内容を他言したとし、そのうち3人は上司・同僚以外の第三者に漏えいしたという。
処分は、最も軽いもので口頭での厳重注意、最も重いもので3か月間の減給1割。第三者に閲覧情報を漏えいしたものは免職または停職となっている。自分の閲覧行為を否定しているものも、情報にアクセスするための磁気カード管理が不十分だったとして処分対象とする。システム運用責任者や管理監督者も処分対象となる。
同庁は昨年、小泉首相や福田元官房長官などについての業務外閲覧が判明したことで、同年5月に同庁内で「業務目的外閲覧行為禁止規定」を制定し、同年7月には監督者を含む493人を処分していた。このことから同年6~7月以降の閲覧については処分が重くなるという。
(2005/12/07 ネットセキュリティニュース)
■業務目的外閲覧行為の調査結果(報告)[PDF](社会保険庁)
http://www.sia.go.jp/infom/press/houdou/2005/h051205.pdf