情報処理推進機構(IPA)は3日、2006年2月の「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況」を発表した。その冒頭で「ファイル交換ソフトに潜む情報漏えいの危険性!!─それでも貴方は使いますか?」と題し、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を介した情報漏えいが頻発していることを警告している。いったんWinnyのネットワークに流出したデータは不特定多数の手に渡るため、事実上、回収することは不可能だ。
IPAによると、Winnyによる情報漏えいのほとんどが、Winnyを利用して感染を拡大するウイルス「W32/Antinny(アンティニー)」に感染することで起こっている。W32/Antinnyは「お宝映像」「個人情報」など多数の人の興味を引く単語を含んだファイル名でWinnyのネットワークに出回っており、これらをWinnyを通じてダウンロードし、実行したユーザーが感染する。感染すると、パソコン内の送受信メールやWordなどのデータファイルが集約され、公開フォルダにコピーされてしまう。公開フォルダに置かれたファイルはWinnyを利用しているユーザーなら誰でも入手できる。
感染を防ぐためにはウイルス対策ソフトのパターンファイルを最新にすることが重要だが、亜種が次々に発生しているため検出できないケースもある。圧縮ファイルの解凍も含め、ダウンロードしたファイルを安易に実行しないことが必要だ。IPAではマイクロソフトが提供している駆除ツールを使用して検査すること勧めている。
このほか、ウイルス検出数は2月は1月に比べ約4割減少していること、「ワンクリック不正請求」に関する相談は、昨年10月以来の増加傾向が続いていることなどが報告されている。
(2006/03/08 ネットセキュリティニュース)
■コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況[2月分]について(IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2006/03outline.html
■ 悪意のあるソフトウェアの削除ツール(Microsoft)
http://www.microsoft.com/japan/security/malwareremove/default.mspx
■セキュリティ関連ニュース
・Winnyウイルス「Antinny」の亜種にセキュリティベンダーが警告(2006/02/02)
・マイクロソフトの削除ツール、PC11万台からWinnyウイルス20万件駆除を達成