Winny(ウィニー)を通じた情報流出が、新たに3件明らかとなった。数年前に退職した元社員、OA機器の修理を依頼した会社の社員など、思わぬところからの流出が起きている。
■アルプス技研:退職した元社員のPCから、社員情報など1,668件流出
労働者派遣業のアルプス技研(本社:神奈川県相模原市)は9日、同社元社員の個人用パソコンから、同社社員の個人情報と取引先の情報、合わせて1,668件が流出したと発表した。流出が判明したのは2月23日。この元社員は2002年8月に同社を退職しているが、在職中にデータを個人所有のパソコンに保存し利用、退職後もこのデータを削除しなかったため、ウイルス感染により当該データが流出したと見られている。同社は今後、個人所有のパソコンの安全管理について注意喚起を行うなど、情報管理強化を図り、再発防止に万全を期するとしている。
・「Winny」による個人情報等の流失について[PDF](アルプス技研)
http://www.alpsgiken.co.jp/cgi-bin/whatsnew/img/200639160746/download.pdf
■沼田市立小:OA修理委託先から、児童や教職員の個人情報470件流出
沼田市教育委員会は8日、沼田市立小学校の児童や教職員など470件、のべ738人の個人情報がインターネット上に流出したと発表した。流出が判明したのは2月21日。この小学校からハードディスクの修理を依頼されたOA機器販売・修理等のナカムラ(本社:群馬県沼田市)に勤務する社員の個人所有パソコンから流出したものという。流出したのは卒業生を含む児童242人分と教職員などのデータで、住所、氏名、写真などのほか、10名分の生徒指導データも含まれていた。ナカムラの発表によると、この社員は復旧作業が終了した後も、ハードディスクを私有パソコンに接続したままにしていた。同社は今後、社内情報漏洩規定、客先の情報機器取扱いマニュアル、情報媒体の管理規定等を整備し、再発防止に努めるとしている。
・個人情報漏洩に関するお詫び(ナカムラ)
http://www.kknakamura.co.jp/privacy3.html
■福岡の郵便局:職員の私有PCから、簡易保険利用顧客情報など194件流出
日本郵政公社は8日、福岡県嘉穂郵便局職員の個人所有パソコンから、簡易保険等の利用があった顧客の個人情報194件がインターネット上に流出したと発表した。流出が発覚したのは6日。個人情報116名分を含む集金一覧リストと、同じく21名分を含む保険団体加入者リスト、および郵便局職員57名分の個人別営業成績などが流出していた。同職員が1999年頃から今年1月下旬頃までに自宅で作成した資料だという。日本郵政公社九州支社では、該当顧客を訪問するなどして謝罪と説明をするという。また今後、各郵便局に対して顧客情報の保護管理の徹底を指導するとしている。
・福岡県・嘉穂郵便局における顧客情報の流出について(日本郵政公社)
http://www.japanpost.jp/pressrelease/s12/sonota/060308_12901.html
(2006/03/13 ネットセキュリティニュース)