業務用のデータを持ち出して私有パソコンで使用し、Winny(ウィニー)を介して流出させてしまう事故が後を絶たない。八千代工業からは社員の人事考課資料が、静岡県、三井住友銀行からは開発途中のシステム操作マニュアル、ATM設計資料がそれぞれ流出した。静岡県と三井住友銀行では、業務委託先や再委託先の担当者が所有するパソコンが流出元となっている。
■八千代工業、社員550名分の人事考課資料流出
自動車部品メーカー八千代工業(本社:埼玉県狭山市)の四日市製作所(三重県四日市)の人事考課資料が、インターネット上に流出していたことが12日までにわかった。同社総務部によると、流出したのは2004年までの10年間に同製作所に勤務した社員のべ550名の一覧に、アルファベットの評価を記載したもの。同製作所の社員がUSBメモリーに入れて持ち帰り自宅の私有パソコンに保存していたところ、昨年3月21日にウイルスに感染し流出。今年1月に外部からの通報で発覚した。当該社員は、規則に反して無断でデータを持ち帰っていたという。
・八千代工業
http://www.yachiyo-ind.co.jp/
■静岡県、委託先から統計調査員台帳操作マニュアル情報流出
静岡県は12日、登録統計調査員台帳管理システムの操作マニュアル情報がインターネット上に流出していたと発表した。発表によると、流出したのは、2004年度に静岡情報処理センター(静岡市葵区)に委託して開発した同システムの情報。同社の担当者が開発中のデータを自宅で作業するために持ち出し、作業完了後も消去していなかったところ、ウイルスに感染したことにより、今月4日に流出した。県によると、流出データはいずれも開発段階のもので、住所や氏名などの情報はすべて実在しない架空のものであり、実際の個人情報は流出していないという。
・統計調査員台帳操作マニュアル情報の流出(静岡県)
http://www2.pref.shizuoka.jp/all/KISHA06.nsf/081c94b1cf732b60492568010000545d/4a3e5fffeee979d24925716c001c7eb3?OpenDocument
・システム操作マニュアル流出のおわび(静岡情報処理センター)
http://www.sicis.co.jp/apology.html
■三井住友銀行、再委託先からATMの設計資料流出
三井住友銀行(本店:東京都千代田区)は12日、同行のATM設計書等の内部情報がWinnyのネットワーク上に流出していたと発表した。発表によると、流出元となったのは、同行からATMの開発・製造を孫受けしている日本システムディベロップメント(大阪市中央区)の社員宅にある個人用パソコン。同行によると、流出した情報の中に顧客の個人情報は含まれておらず、同行ATMのセキュリティに大きな影響はないという。
・弊行のATM設計書等の内部情報流出について(三井住友銀行)
http://www.smbc.co.jp/news/j600082_01.html
・ウィニー(Winny)を介した、ATMの設計書の一部に関する情報の流出について(日立オムロンターミナルソリューションズ)
http://www.hitachi-omron-ts.co.jp/news/200605-003.html
・「ウィニー(Winny)」を介したATMの設計書の一部に関する情報の流出について[PDF](日本システムディベロップメント)
http://www.nsd.co.jp/news/winny060513.pdf
(2006/05/16 ネットセキュリティニュース)