ファイル共有ソフトを介した情報流出が止まらない。Winny(ウィニー)を通じ、日立製作所から開発途中の開発システム仕様書が、中国電力では業務情報関係資料が流出した。また、Share(シェア)を通じて、和歌山県那智勝浦町の保育職員23名の給与情報などが流出した。
■[Winny]日立製作所:社員の私有PCが感染、受託開発中のシステム仕様書など流出
日立製作所(東京都千代田区)は2日、開発途中のシステム仕様書などが同社社員の私有パソコンからWinnyを介して流出していたと発表した。流出したのは、電子マネーサービスのパスモ(東京都新宿区)から開発を受託している共通ICカード乗車券「PASMO」の開発資料で、作成途中の駅サーバシミュレータ仕様書や同社の社内研修資料など。個人情報や、PASMOシステムの開発・運用に影響を及ぼす情報は含まれていないという。日立は今年3月にも協力会社社員の私有パソコンから、ジャスダック証券取引所のシステム関連資料が流出しており、機密情報漏えい防止3原則を制定するなど情報セキュリティ対策に努めていた矢先だった。
・当社社員PCからのウィニー(Winny)を介した情報流出について(日立製作所)
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2006/05/0502.html
■[Winny]中国電力:子会社社員の私有PCが感染、業務関係書類など流出
中国電力(広島市中区)と子会社のエネルギア・コミュニケーションズ(エネルギアコム)は10日、エネルギアコム社員の自宅の私有パソコンがWinnyウイルスに感染し、業務情報が流出したと発表した。流出時期は今月2日以降で、流出情報は中国電力がエネルギアコムに委託した業務の関係資料や、当該社員が受講した社内研修の資料など。機密情報や個人情報は含まれていない。当該社員は業務情報を一時的に当該パソコンに保存し、後に削除したが、一部削除漏れがあったという。中国電力グループは再発防止策を実施し、グループ全体で厳正な情報管理を徹底するとしている。
・個人所有パソコンからの業務情報の流出について(中国電力)
http://www.energia.co.jp/press/06/p060510-2.html
・個人所有パソコンからの業務情報の流出について[PDF](エネルギア・コミュニケーションズ)
http://www.enecom.co.jp/news/2006/20060510.pdf
■[Share]那智勝浦町:職員の私有PCが感染、保育職員23名の給与情報など流出
和歌山県那智勝浦町は10日、業務資料がShareを通じて流出したと発表した。流出したのは、2004年度の保育所臨時職員23名の氏名、支給額、控除額等を記載した賃金台帳や源泉徴収票、名刺の原版などのエクセルファイルで、名前以外の個人情報は含まれていない。同町によると、20代の正職員が2004年度当時、自宅で仕事をするために無断でデータを持ち出し、私有パソコンに保存。今年4月22日頃にウイルスに感染し、Shareネットワークに流出したという。今月10日朝、総務省から県を通じて連絡があり、流出が発覚した。
・那智勝浦町
http://www.town.nachikatsuura.wakayama.jp/
(2006/05/12 ネットセキュリティニュース)