北九州市消防局は22日、30代の男性職員が自宅で使用している私有パソコンがファイル共有ソフトWinny(ウィニー)のウイルスに感染し、火災などの被災者ら287名の個人情報がインターネット上に流出したと発表した。
流出したのは住所、氏名、電話番号などが記載された火災などの被害者情報37名分、地域住民情報182名分、研修受講者情報48名分、本人が居住するマンションの住居者情報20名分の個人情報など。ほかに、テロやNBC災害(注1)に対処する消防訓練に関する資料など、1,000件を越える業務情報も流出していた。
同局によると、当該職員は自宅で事務処理を行うために、職場のパソコンから業務情報を無許可でフロッピーディスクなどにコピーし、持ち帰っていた。自宅のパソコンで事務作業を行っていたところ、今年1月ごろに同パソコンがウイルスに感染し、保存していた私的な文書とともに業務情報が流出。今月19日夕方、総務省地域情報政策室からの通報で発覚した。
同局は、該当者に対し早急に状況説明と謝罪を行うといい、全職員に対し所属長による口頭指示を行うとともに、私有パソコンの業務利用禁止、業務情報の持ち出し禁止などを改めて文書で通知。これまで以上に適正な情報セキュリティを確保し、再発防止に努めるとしている。
【注1】NBC災害:核物質(Nuclear)、生物剤(Biological)、化学剤(Chemical)が使用される災害。
(2006/06/27 ネットセキュリティニュース)
■個人情報の流出について[PDF](北九州市)
http://www.city.kitakyushu.jp/file/03010200/happyou/060622firepribeto.pdf
【過去記事:消防関連からの個人情報流出】
・2006/06/05 大阪府/貝塚市消防本部:独居老人名簿41名、職員名簿80名
・2006/05/30 大阪府/枚方寝屋川消防組合:市民59名、職員32名の住所録
・2006/05/02 岐阜県/可茂消防事務組合:救助隊の訓練記録(職員23名)
・2006/03/22 群馬県/伊勢崎市消防本部:火災調査報告書など(2名)
・2006/02/24 愛知県/名古屋市消防局:業務資料1,980件(法人7社、職員8名)
・2006/02/13 岐阜県/各務原市消防署:調査関係書類2,309名、職員など1,300名
・2006/02/13 群馬県/前橋市消防本部:火災調査書(個人47名)
・2006/02/13 岡山県/倉敷市消防局:火災調査書(被災者6名)、職員の連絡網118名
・2006/01/20 北海道/南渡島消防事務組合:搬送患者2名
・2005/12/19 栃木県/佐野地区広域消防組合:市民と職員211名
・2005/10/11 秋田県/由利本荘市消防本部:高齢者世帯名簿など592件・503名
・2005/04/06 宮城県/仙台市消防局:火災情報(個人2名)