ファイル共有ソフトのShare(シェア)を通じて、秋田県立横手高校の卒業生約380名分の個人情報が、NECの子会社から顧客企業社員などの個人情報約5,000名分が流出した。
■秋田県立横手高校、卒業生の個人情報約380名分が流出
秋田県教育委員会は2日、同県立高校の男性教諭の自宅パソコンから、教諭の前任校であった同県立横手高校の卒業生など380名分の個人情報が流出したと発表した。流出情報は同校を2003年3月に卒業した生徒約310名分の氏名や受験大学、就職企業名などの進路情報と、1975年前後に同校の地理研究部に所属していた同窓生約70名の氏名や住所、電話番号など。教諭は同校の卒業生で、同研究部に所属していた。
同教諭は学校に無断で当該データを持ち出し、2004年から自宅のパソコンに保存していた。今年4月中旬に同パソコンがShareのウイルスに感染し、流出したと見られる。文部科学省から指摘があり、発覚した。県教委は今年3月に学校および自宅のパソコンへのファイル共有ソフトのインストール禁止、個人情報の校外持ち出し禁止を通知していた。県教委は当該卒業生と保護者に文書で謝罪、教師に対し自宅パソコンの再点検を指示するなど再発防止を徹底するとしている。
・秋田県教育委員会
http://www.pref.akita.lg.jp/icity/browser?ActionCode=genlist&GenreID=1138697733525
■NEC子会社、顧客や社員の個人情報約5,000名分が流出
NECの情報処理サービス子会社、KIS(本社:熊本県熊本市)は5月30日、取引先である13団体・企業の従業員など4,790名分と、同社社員283名分の個人情報が流出したと発表した。情報内容は氏名と所属、ユーザーIDなど。個人情報のほか、IPアドレスなどネットワーク情報942件も流出している。
同社の社員が5月19日に当該ファイルを外付けハードディスクに入れて無断で持ち帰り私有パソコンに接続した際、同パソコンがShareウイルスに感染して流出した。同社では当該顧客に対して個別に連絡し、謝罪と説明を行うとしている。
同社は顧客企業名を明らかにしていないが、熊本県立大学が学生や教職員3,428名分の個人情報が流出情報に含まれていると発表。同大学は、委託契約では情報の持ち出しが禁じられていることから、損害賠償請求も検討するとしている。
・お客様情報流出のお詫び[PDF](KIS)
http://www.kis.co.jp/topics/image/Ryuusyutu.pdf
(2006/06/05 ネットセキュリティニュース)