千葉市教育委員会がホームページ(HP)で公開していた会議録に、非公開にするはずの個人情報などが含まれ、操作次第で閲覧できる状態だったことが1日、明らかになった。市教委は同日午前に記者会見を開き謝罪した。
問題の会議録は、PDF形式でHPに掲載していた2001年1月から2005年8月までの70回分の一部。大半は、非公開部分の文字を「■」や「●」に置き換えていたが、一部ワープロソフトで文字を「黒塗り」し、見えないように処理したものがあった。黒塗り部分は、PDF上では文字の上に黒い長方形を重ねた形で表現されており、文字情報はファイル内にそのまま保存されている。このため操作次第で閲覧できてしまい、情報開示請求者の住所・氏名や、懲戒処分者の住所・氏名・経歴、セクハラ被害者に関する情報などの個人情報を含む、多数の非公開情報が漏れていた。
市教委によると、7月31日に外部からの指摘で判明。同日中にHPから全ての会議録を削除し、問題箇所を修正した上で再公開した。
【解説:頻繁に起きていた同種の情報流出】
黒塗りで隠したPDFからの情報流出は、これまでも頻繁に起きている。最近では、今年3月に防衛庁が公開した「将来SAM」調査報告で秘数値が。5月には米軍が公開した資料から機密情報が。6月にはAT&Tの弁護士が裁判所に提出した資料から秘匿箇所が流出。このほかにも、非表示設定の情報やドキュメントのプロパティなどに保存されていた情報、自動的に付加された「ふりがな」などからの情報流出もある。アプリケーションで保存したファイルをHPに掲載する際には、ファイルの中に隠れている見えない情報にも注意を払わなければいけない。
(2006/08/04 ネットセキュリティニュース)
■千葉市教育委員会
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