情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は2日、2006年7月の「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況」を発表した。報告の冒頭で、ワンクリック詐欺やセキュリティ対策ソフトの押し売り行為に関する相談が多数寄せられていることに触れ、少しでも怪しいと感じるサイトにアクセスしてしまったら、ページを閉じるなどの方法で「引き返す」よう警告している。
今年7月にIPAに寄せられた相談のうち、ワンクリック不正請求の件数は159件、セキュリティ対策ソフトの押し売り行為の件数は43件となっている。ワンクリック不正請求には、画像や動画が無料で閲覧できるとして悪意あるプログラムをダウンロードさせるものがある。セキュリティ対策ソフトの押し売りには、「ウイルスに感染している」など不安をあおるメッセージをバナー広告で表示し、セキュリティ対策ソフトの購入をせまるものがある。問題のあるサイトへ誘導する手段としては、スパムメールの本文やブログのトラックバックにリンクを掲載する方法などがあげられる。
IPAでは、いずれの場合も、記載されているリンクをクリックしなければ被害にあうことはないと指摘。うっかりクリックしてしまった場合も、すぐにページを閉じて「引き返す」よう、呼びかけている。
また、怪しげなサイトの中には画像を表示するように見せかけて、悪意あるプログラムをダウンロードさせる細工を施されている場合がある。その際にも、セキュリティの警告画面が出たら、「実行」ではなくキャンセルをクリックして「引き返す」ことを勧めている。
そのほか、スパイウェアによる被害相談が依然として多いとして「スパイウェア対策ソフトの利用」「コンピュータを常に最新の状態にしておく」など、スパイウェア対策5項目をあげている。
(2006/08/08 ネットセキュリティニュース)
■コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況[7月分]について(IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2006/08outline.html