FBI(米連邦捜査局)は現地時間15日、新しいタイプの詐欺メールが出回っているとして注意を呼びかけた。いくつかのパターンがあるが、どれもメール受信者の恐怖心をあおった上で、金銭や個人情報を提供すると危険を回避できると思わせる手口。セキュリティベンダーのソフォスも11日、偽の殺害予告メールが出現したと警告するリリースを出している。
FBIやソフォスの情報によると、ある詐欺メールでは、自分はメール受信者を殺すために雇われた暗殺者だと名乗った上で、「8万ドル払えば殺害を中止する。手付金2万ドルを払えば、暗殺依頼の証拠となる録音テープを渡す」と取引きをもちかけている。このようなメールに反応を返すと、脅迫はエスカレートしていく。また、FBIのロンドン支局をかたった別の詐欺メールでは、ある事件で逮捕した容疑者がメール受信者に関する情報を所持していたとして、被害を受ける可能性をほのめかした上で、調査協力という名目で個人情報を騙し取ろうとする。FBI、ソフォスともに、このようなメールを受信しても返信しないようにと呼びかけている。
また群馬県でも今月に入り、復讐代行業者を名乗り、「あなたに対する復讐依頼を請け負ったが穏便に済ませたい。携帯電話に連絡がほしい」と脅す「メール」が出回っている。ただしこちらは電子メールではなく郵便物で、親展と書かれた封書で届く。県では、連絡をしてしまうと、自分だけでなく家族や親戚、友人、知人など多くの個人情報を聞き出され、悪用されることも考えられるとして、もしこのような封書を受け取っても、絶対に連絡をとらないようにと呼びかけている。
(2007/01/19 ネットセキュリティニュース)
■E-Mail Scam Includes Hit-Man Threat[英文](FBI)
http://www.fbi.gov/page2/jan07/threat_scam011507.htm
■「契約殺人」の警告をネタにユーザーをゆするメールが出現(ソフォス)
http://www.sophos.co.jp/pressoffice/news/articles/2007/01/deathphish.html
■「人を脅すような不審な封書」を受け取ったという相談が急増しています(群馬県)
http://www.pref.gunma.jp/cts/contents?CONTENTS_ID=29636