医薬品としての効果や効能を表示することはできないはずの健康食品(一般食品)なのに、ネット上には、まるで医薬品のような広告が氾濫している。今月末、こうした事例での逮捕・送検や販売中止が相次いだ。
■健康食品なのに「血糖値の上昇を抑える」
蚕粉末の入った健康食品「ボスリン」を医薬品ではないのに、「血糖値の上昇を抑える」などと医薬品としての効能・効果をインターネットなどで広告・販売したとして、大阪府警察本部外事課と東、城東警察署は22日、ボンビックス薬品(大阪市中央区)と同代表取締役ら2人を薬事法違反の疑いで大阪地方検察庁に書類送検した。同社は23日、ホームページに謝罪文を掲載し、指摘された問題に関しては是正したとしている。
・お詫びとご報告(ボンビックス薬品)
http://www.bombyx.co.jp/topics0222.html
■健康食品なのに「がんに効く」
ハナビラタケを主な原料とする健康食品を「がんに効く」などとうたって販売していたとして、新潟県警生活保安課と長岡署は23日までに、医師で健康食品会社フェニックス(新潟県長岡市)代表取締役の男を薬事法違反容疑で逮捕・送検した。同社ホームページは昨夏以来更新されておらず、「がんや白血病、肝硬変、膠原病、貧血、アレルギー性疾患、花粉症などの慢性疾患のほぼすべてのものに有効」「将来、癌や認知症にならないで済む」など、掲載当時のままの表示が残っている。
・フェニックス
http://www.phoenix-f.com/
■健康食品なのに「花粉症予防に効果」
山形県と厚生労働省は26日、「スギ・ヒノキ花粉症に効く」とうたってインターネットなどで販売していた健康食品「パピラ」を服用した和歌山県内の女性がアレルギー反応を起こし、一時意識不明になったと発表。食品との因果関係を調査するとともに、効能をうたった販売は薬事法違反の疑いがあるとして、広告を行っていた10業者が所在する7府県に対し指導を要請。製造販売元の健森(山形県山形市)は、当該製品の販売を中止し自主回収を開始したという。28日現在、すでにいくつかのサイトでは、当該製品の販売ページを削除している。
・都道府県等から報告されたいわゆる健康食品に係る健康被害事例について(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/02/h0226-2.html
(2007/02/28 ネットセキュリティニュース)
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