情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は2日、2月の「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況」を発表した。報告の冒頭「今月の呼びかけ」では、Windowsのセキュリティホール対策を取っていないコンピュータを狙う不正アクセスが増加していることを指摘し、OSのセキュリティ機能を使うなどの基本的な対策の実施を呼びかけている。
IPAは、国内の大手インターネットサービスプロバイダー(ISP)10社と一般的な契約で取得したADSL環境でインターネットに接続し、定点観測を行っている。この調査の結果、2006年8月頃からセキュリティホール対策などが取られていないコンピュータを探し、ボット、ワームなどの不正プログラムを感染させようとしていると考えられるアクセスが増加している。インターネットに接続するだけで不正アクセスを受ける可能性があるわけで、IPAはOSや各種ソフトのアップデートを怠らないよう警告するとともに、Windowsに内蔵される「Windows ファイアウォール」などのファイアウォールを使用することを勧めている。
報告中では「Windows ファイアウォール」の設定を、セキュリティ対策を一括して管理する「Windows セキュリティセンター」から行うよう勧めている。しかし、Windows XP SP2導入前のWindows XPには、「Windows ファイアウォール」はあっても「Windows セキュリティセンター」はないうえ、SP1は昨年10月にサポートを終了している。まだSP2を導入していない方は早期の導入をお勧めする。
このほか、ワンクリック不正請求に関する相談が先月の233件から287件に増加し、昨年2月の168件に比べると約7割増となっている。IPAでは芸能人の画像からアダルトサイトにジャンプした例を挙げて注意を喚起している。
(2007/03/08 ネットセキュリティニュース)
■コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況[2月分]について(IPA)
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2007/03outline.html