ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」と「Share(シェア、シャレ)」による自治体や警察、小学校の情報流出が、18日から20日かけて5件明らかになった。
■日田市、職員名簿など975名分流出
大分県日田市は20日、生涯学習課の男性職員(37歳)の私有パソコンから、職員名簿など975名分の個人情報がShareを介して流出したと発表した。
流出したのは2005年度の全職員と全市議、公民館事業の参加者、自治会員、消防団員の名簿など計975名分で、氏名や住所、電話番号が含まれていた。職員は2005年10月に当該データを持ち帰り自宅のパソコンに保存していたところ、今月15日ごろにウイルスに感染し流出。17日に外部の研究機関からの連絡で発覚した。
・日田市
http://www.city.hita.oita.jp/
■札幌市、造園会社300社の情報流出
札幌市は20日、みどりの推進課の男性職員(50代)の私有パソコンから、少なくとも300社の企業情報がWinnyを介して流出したと発表した。
流出したのは市の造園工事の入札に使用する指名登録業者の一覧表で、社名や代表者名、外部の信用調査機関による評価などの公開情報のほか、一部に担当者の氏名が記載されていた。職員は2005年から2006年にかけて当該データを持ち帰り自宅のパソコンに保存していたが、Winnyがインストールされていることは知らなかったという。今月19日、総務省からの連絡で流出が発覚した。
・札幌市
http://www.city.sapporo.jp/city/
■鹿児島リコー、県警や県庁のPC設定情報など流出
OA機器販売の鹿児島リコー(鹿児島県鹿児島市)は20日、業務資料が流出したと発表した。
流出したのは、同社が鹿児島県警や鹿児島県庁などに納めたパソコンのアドレスやパスワードなどを含む設定手順書、社員の携帯電話番号一覧表など。今月18日夕方、パソコンの搬入や設置などを行っている同社社員からの流出と見られる報告がインターネットの掲示板に書き込まれ、同日、掲示板を見た顧客からの連絡で発覚した。同社社員は今月11日ごろにウイルスに感染し、Winnyを介して流出したらしい。
同社は20日、ホームページに謝罪文を掲載し、流出した情報の範囲や内容、流出の経緯、原因等について調査を進めており、詳細が判明次第、情報の開示に努めるとしている。
・情報流出に関するお詫び(鹿児島リコー)
http://www.kagoshima.ricoh.co.jp/privacy/pop_3.html
■北海道警察、捜査資料流出
北海道警察は19日、稚内署刑事課の男性巡査長(31歳)の私有パソコンから、暴力団組員など約570名の個人情報を含む捜査資料がWinnyを介して流出したと発表した。
流出したのは暴力団組員約100人と、その家族や知人ら約300名の氏名や住所、犯罪歴などを記載した名簿。容疑者や被害者5人の氏名や住所を含む送検用の書類目録と証拠金品目録。巡査長個人の住所録約160名分など。巡査長は私有パソコンを許可を得て署内で使用していたが、昨年5月ごろ無断で自宅に持ち帰り、捜査資料を完全に消去しないままWinnyを導入。今月15日ごろにウイルスに感染流出し、17日に警察庁からの連絡で発覚した。
・北海道警察
http://www.police.pref.hokkaido.jp/
■桑名市立伊曽島小学校、Winnyのウイルス感染で名簿など126名分流出
三重県桑名市教育委員会は18日、市立伊曽島小学校の女性教諭(52歳)の私有パソコンから、同校の児童と卒業生126名分の個人情報がWinnyを介して流出したと発表した。
流出したのは児童の名簿や卒業生の連絡簿などで、氏名や電話番号が記載されていた。教諭は昨年12月ごろ当該データが記録されたCDを持ち帰り、自宅のパソコンで作業をしており、その時にウイルスに感染し流出したものとみられる。今月11日、報道機関からの連絡で発覚した。
・桑名市
http://www.city.kuwana.lg.jp/
(2007/04/23 ネットセキュリティニュース)