ファイル交換ソフト(P2Pソフト)のWinny(ウィニー)やShare(シェア)を介した情報流出が新たに3件、判明した。北秋田市については、愛南町など複数自治体の住民情報流出事件と同じ業務請負会社元社員が流出元となっており、野村信託銀行では委託会社の従業員経由で流出している。ホンダカーズ愛知からは顧客情報など438名分が流出したおそれがある。
■ 北秋田市、再委託先から約11万件の住民情報が流出
秋田県北秋田市は、同市の住民情報のうち約11万件がインターネット上に流出していると発表した。報道などによると、流出した情報は旧鷹巣町、旧森吉町の住民記録で、住所、氏名などの個人情報約1,900件のほか、住民票コード番号約4万件、印鑑登録情報約2万4,000件など計11万7,022件。このうち700件あまりのデータは個人の特定が可能な状態だった。
同市は合併時、電算システム統合のためのデータ移行業務を日本電気株式会社秋田支店に委託し、そこから山口電子計算センターに再委託された。再委託先で作業を担当した女性元社員が関連データを持ち出して自宅のパソコンに保存。同パソコンにインストールされていたWinnyを介して流出した。
愛媛県愛南町、山口市、長崎県対馬市で起きた住民情報流出も、当該元社員のパソコンが流出元となっている。長崎県対馬市では、16日に公表した住民1,132名の情報流出に加え、新たに280名分の個人情報流出が判明している。
・個人情報漏えいについてのお詫びとお知らせ(北秋田市)
http://www.city.kitaakita.akita.jp/news/2007/05/0522/owabi/owabi.htm
■ 野村信託銀行、委託先からシステム関連情報流出
野村信託銀行(本社:東京都千代田区)は22日、業務システムの関連情報が開発を委託した企業社員の個人用パソコンからインターネット上に流出したと発表した。
同銀行では、システム開発の一部を富士通株式会社の協力会社に委託しており、開発を担当した社員が、関連データを自宅にある個人用パソコンに保存していたところウイルスに感染し、Shareのネットワーク上に流出した。流出した情報は、業務用のシステム開発に関する資料の一部で、顧客情報は含まれていない。
・情報流出についてのお詫びとお知らせ(野村信託銀行)
http://www.nomura-trust.co.jp/body_view.php?no=260
■ ホンダカーズ愛知、従業員の私有PCから顧客情報438件流出のおそれ
自動車販売のホンダカーズ愛知(愛知県長久手町)は21日、同社従業員の私有パソコンから、Winnyを介して顧客の個人情報438件が流出したおそれがあると発表した。
流出の可能性がある情報は、同社顧客の氏名、住所、車両登録ナンバーなど438件。同社従業員が、社内規定に反して顧客情報を持ち帰り、Winnyがインストールされている自宅のパソコンに保存したところ、17日から18日にかけてインターネット上に顧客情報が流出した。
・お客さま情報の流出に関するお詫びとお知らせ(ホンダカーズ愛知)
http://www.hondanet.co.jp/hondacars-aichi/home/073_apology.html
(2007/05/23 ネットセキュリティニュース)