ファイル交換ソフト(P2Pソフト)のWinny(ウィニー)やShare(シェア)を介した情報流出が続いている。愛南町については既報だが、その後の調べで流出した個人情報は計14万2,843件以上にのぼることが明らかになった。北九州市からは税滞納管理システムの業務データ1,796件、和歌山県の不動産会社からは顧客情報など221名分が流出している。
■ 愛南町、流出した個人情報は14万2,843件に拡大
愛媛県愛南町の住民個人情報がインターネット上に流出していた問題で、同町は18日、合併前の旧5町村の全住民の情報14万2,843件が流出していたと発表した。これまでに判明していた約4万2,000件の3倍以上に拡大したことになる。
同町では、16日の発表で流出した個人情報は旧城辺町と旧西海町地域の住民情報としていたが、その後、2004年10月に5町村が合併した愛南町の、他の旧町村である旧御荘町、旧一本松町、旧内海村の全住民に拡大。愛南町の全住民の個人情報が流出したとされる。流出した情報は、旧5町村の全住民約3万3,000名分の住民票コードや国民年金情報、口座情報など計14万2843件。流出個人情報の実人数は5万4850名分にのぼる。
情報を流出させたのは、同町委託先のデンケン(愛媛県宇和島市)から再委託を受けた山口電子計算センターの女性元社員で、内規に反して持ち出していたデータを自宅のパソコンで整理した際、当該パソコンがウイルスに感染していたため情報が流出した。
この元社員のパソコンからネット上に流出したデータは愛南町のみならず、山口市旧秋穂(あいお)町の住民約7,000名分の個人情報も含まれ、また長崎県対馬市が16日発表した住民1,132名の個人情報流出にも関連している。山口電子計算センターは、対馬市から委託を受けたBCC(福岡市)からデータ処理を再委託されていた。愛南町は21日から全職員が全世帯を個別訪問し、謝罪と説明を行う。
・愛南町の住民の個人情報の流出に関するお詫びとお知らせ(愛南町)
http://www.town.ainan.ehime.jp/life/life_detail.php?lif_id=969
・対馬市業務情報の流出について[PDF](長崎県・対馬市)
http://www.pref.nagasaki.jp/koho/hodo/upfile/20070516162146.pdf
・[Winny]流出:山口市、愛媛県愛南町、長崎県対馬市、福岡県嘉麻市の住民情報
http://www.so-net.ne.jp/security/news/view.cgi?type=2&no=1090
■ 北九州市、委託会社元社員のPCから税滞納管理システム情報1,796件流出
北九州市は17日、税金の滞納者情報を管理するシステムのデータが、開発を委託した企業の元社員のパソコンからインターネット上に流出したと発表した。
報道などによると、このシステムの開発に携わった企業の元社員は、関連データを自宅のパソコンに保存し放置していたところ、Winnyを通じてインターネット上にデータが流出したことが先月、明らかになった。システム設計関連情報を中心に、計1,796件のファイルの流出が確認されている。滞納者の個人情報などは含まれず、転用のおそれや市民への影響はないという。
北九州市は「個人情報が含まれていなかったとはいえ、まことに申し訳ない。管理のあり方についてもう一度徹底したい」とし、関係者や委託先の情報保有状況調査を指示。自宅のパソコンなどで業務関連データを保管しないよう管理体制の強化を指導した。
・北九州市
http://www.city.kitakyushu.jp/
■ ホームズ、取締役の私有パソコンから顧客情報など221名分流出
不動産仲介会社のホームズ(和歌山県海南市)は17日、同社取締役の私有パソコンから、Shareのウイルス感染により顧客情報など221名分が流出したと発表した。
流出した情報は、同社が管理する物件の入居者氏名、建物名、電話番号等を含む191名分の顧客情報と、同社社員の労働者名簿や給与明細など30名の個人情報で、14日に流出が判明した。同取締役は、社内規定に違反して業務データを私有パソコンに保存していたところ、10日にShareのウイルスに感染したという。
同社は関連する顧客に対し、説明と謝罪を実施した。また、関連役員の厳正な処分を検討するとしている。
・お客さま情報等の流出に関するお詫びとお知らせ[PDF](ホームズ)
http://www.homes-homes.jp/letter_of_apology%20.pdf
・お客さま情報等の流出に関するお詫びとお知らせ(ホームズ)
http://www.homes-homes.jp/info.html
(2007/05/21 ネットセキュリティニュース)