京都府警生活経済課ハイテク犯罪対策室と五条署は、ファイル交換ソフトのWinny(ウィニー)を通じて人気少年漫画誌連載の漫画作品を、発売日前にネット上で無断配布していた男3人を、著作権法違反(公衆送信権侵害)の疑いで逮捕、19日に送検した。
送検された3人は、大阪市大正区の会社員(29歳)、岩手県盛岡市のアルバイト(26歳)、東京都足立区の少年(高専生、17歳)で、共犯ではなく、それぞれ個別に同様の犯行を行なったとみられる。3人は1~4月にかけて、「週刊少年サンデー」や「週刊少年ジャンプ」に掲載された人気連載漫画12作品を、発売日よりも前に販売店から入手し、ネット利用者に自動送信できるようにした。同対策室などは同日、3人の自宅を家宅捜索してパソコンやスキャナー、漫画雑誌などを押収した。
東京都の高専生は、発売日の4日前に漫画をネット上で無断配布し、さらにネット掲示板「2ちゃんねる」で事前に配布を予告していた。他の2人も掲示板上でよく知られた存在だったという。警察の調べに対し3人は、「注目を浴びたかった」「犯行を自慢したかった」などと供述している。
社団法人コンピュータソフトウェア著作権教会(ACCS)の発表によると、ファイル交換ソフトを使った著作権侵害が蔓延している実態は、ACCSなどが毎年実施している「ファイル交換ソフト利用実態調査」や、2006年に実施した「「Winny」ネットワーク上の無許諾流通コンテンツ実態調査」などからも明らかとなっているが、Winny(ウィニー)を利用した著作権侵害行為の刑事摘発は、2003年11月に、ゲームソフトや映画の無断配布を行なった19歳の少年と41歳の男性(年齢は当時)2名が逮捕されて以来、今回が2回目。
(2007/05/21 ネットセキュリティニュース)
■Winnyを使った公衆送信権侵害、男性3人を逮捕(ACCS)
http://www2.accsjp.or.jp/topics/news3.html
■ ファイル交換ソフト「Winny」を使った公衆送信権侵害事件について(ACCS)
http://www2.accsjp.or.jp/topics/release1.html