ウイルス感染によるファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を介した個人情報の流出が3件明らかになった。日本郵政公社からは59名分の宛て名情報が、情報技術開発からは顧客企業と協力会社および同社の社員情報が、愛知県警からは5名の個人情報を含む捜査情報が、Winnyネットワーク上に流出した。
■日本郵政公社、委託先元社員のPCから59名分の宛て名情報流出
ウイルスに感染した鹿児島リコー社員のパソコンから、鹿児島県警や鹿児島県庁などに納めたパソコンの設定情報などが流出した問題にからみ、郵政公社の郵便区分機に登録されていた顧客の住所と氏名59名分が新たに流出していたことが明らかになった。郵政公社と委託先の東芝ソシオシステムサポートは1日、流出の事実を公表し謝罪した。
流出したのは、鹿児島県内の顧客情報58件と郵便物の宛て名面の画像1件。当該社員は鹿児島リコーに移る前の2004年7月まで東芝ソシオシステムサポートに勤務し、区分機などの設置や保守を担当。勤務当時に私有パソコンに記録していたデータが、鹿児島リコーの業務情報などとともにWinnyネットワーク上に流出していた。
なお鹿児島リコーでは、その後の調査で流出情報の中に、同社の顧客の個人情報786件が含まれていたことも明らかにしている。
・個人情報流出に関するお知らせとお詫び(日本郵政公社)
http://www.japanpost.jp/pressrelease/japanese/yubin/070501j201.html
・情報流失に関するお知らせとお詫び(東芝ソシオシステムサポート)
http://www3.toshiba.co.jp/tsys/oshirase.htm
・情報流出に関するお詫びと調査結果のご報告(鹿児島リコー)
http://www.kagoshima.ricoh.co.jp/privacy/pop_4.html
【過去記事:ネットセキュリティニュース】
・[Winny/Share]情報流出:日田市、札幌市、鹿児島リコー、北海道警、桑名市立小(2007/04/23)
http://www.so-net.ne.jp/security/news/view.cgi?type=2&no=1060
■情報技術開発、顧客や社員641名分の個人情報流出
セキュリティ関係のソフト開発などを手がける情報技術開発(本社:東京都新宿区)は1日、同社の顧客や社員641名分の個人情報が流出したと発表した。
流出したのは、顧客企業50社の社員58名分の名前や所属部署、協力企業26社の社員98名と同社社員485名分の名前や所属部署、メールアドレス。同社社員が自宅の私有パソコンに当該データを保存していたところ、先月16日頃ウイルスに感染しWinnyを介して流出。19日に流出が発覚した。
・情報漏洩に関するお詫びとお知らせ[PDF](情報技術開発)
http://www.tdi.co.jp/irjouhou/pdf/2007/zyohourouei070501.pdf
■愛知県警察、5名の個人情報を含む捜査資料流出
愛知県警察は4月23日、春日井警察署地域課の男性警部補(57歳)が息子に譲った私有パソコンから、5名分の個人情報を含む捜査関係資料がWinnyネットワーク上に流出したと発表した。4月20日に警察庁からの連絡で判明した。
流出したのは、警部補が愛知警察署刑事課に勤務していた2003年頃に作成したもので、事件の被害者など5名分の住所や名前が含まれていた。警部補は2004年に当該パソコンを息子に譲り渡し、その後に息子がWinnyをインストール。2005年8月以降にウイルスに感染し流出したと見られる。警部補は当該パソコンを譲った際に捜査資料を全て削除したつもりだったが、ワープロソフトが自動的に作成するバックアップファイルが残っていたらしい。
愛知県警では、2005年6月に東海署地域課巡査の私有パソコンから、6名の個人情報を含む捜査資料が流出している。
・愛知県警察
http://www.pref.aichi.jp/police/
【過去記事:ネットセキュリティニュース】
・愛知県警の捜査情報が流出、巡査私有PCのWinny感染で(2005/06/27)
(2007/05/02 ネットセキュリティニュース)