フィッシング対策委員会は先月28日、「フィッシング詐欺に関する意識調査について」の調査報告を発表した。調査からフィッシング詐欺の手口などを知らないため、だまされる可能性がある層が約2割いることや、日ごろ特に対策をしていないとする回答が全体の57%にのぼることが分かった。
調査はインターネット利用者を対象に今年2月22日から26日までWebアンケートを実施して得た有効回答865のうち、セグメント(*1)ごとに無作為抽出した500人分のデータを分析したもの。
*1)セグメント:性別、年代別に合計6個のセグメントに分け、各セグメントのサンプル数はインターネット人口比率分布に準じて設定。
調査によると、「フィッシング詐欺という言葉も手口も知らない」と答えた人は12.8%で、特に女性や若年層の認知度が低かった。「フィッシングの手口を知っている」と答えた回答者の中で「対策として普段気をつけていることがある」のは43%と半数に満たない。対策は誰が行うべきだと思うかについては「金融機関やオークションなどのサービス提供企業」とする回答とほぼ同数で「ユーザー」が行うべきとしており、高い自己防衛意識を表す一方で、「ネットオークションでクレジットカードを使用している」ユーザーが65%いるなど、注意喚起や対策を徹底させる必要を感じさせる結果となった。
実際に被害にあった人も、500人中5人(1%)いた。被害内容は、「金銭的被害を受けた」が2人、「IDなどを詐取されオークションなどで使用された」が2人、「その他」が1人となっている。フィッシングメールの受信経験について「フィッシングメールを受け取ったことがある」と自覚している回答者は約15%だが、「わからない」と回答した31%の中にはフィッシングメールであることに気付かず、スパムメールとして削除したケースも含まれる可能性がある。
フィッシング詐欺の動向については、米マカフィーのセキュリティ研究機関「McAfee Avert Labs」が、2007年第1四半期にフィッシングサイトが784%増加したと報告している。
(2007/07/02 ネットセキュリティニュース)
■フィッシング詐欺に関する意識調査について[PDF](フィッシング対策委員会)
http://www.antiphishing.jp/topics/Press_Release_070628.pdf
■フィッシングに関するユーザ意識調査報告書[PDF](フィッシング対策委員会)
http://www.antiphishing.jp/topics/User_Phishing_Awareness_Survey.pdf
■McAfee Inc: Phishing on the Rise While Bots Slow[英文](McAfee Avert Labs Blog)
http://www.mcafee.com/us/about/press/corporate/2007/20070619_040000_c.html