ファイル共有ソフト(P2Pソフト)であるWinny(ウィニー)やShare(シャレ、シェア)を介した情報流出が止まらない。警視庁は今年6月に北沢署から情報が流出した問題(既報)について、同庁ホームページに謝罪文を掲載した。愛知県立高校では、教諭の私有パソコンから生徒情報、航空自衛隊岐阜基地の退職者名簿などが流出した。
■警視庁、北沢署のWinnyによる情報流出問題で謝罪
北沢署地域課巡査長(26歳)の私有パソコンから操作関連資料など1万件の情報がWinnyを介して流出した問題で、警視庁は先月29日、同庁のホームページに謝罪文を掲載した。謝罪文の中で、流出ファイルに個人情報の記載があった人物や当該関係者に対して謝罪するとともに、警視庁の流出事案に関して心配や不安がある場合の問合せ先を公開している。また、職員が個人で所有する記録媒体やパソコンなどの点検を実施し、再発防止策を進めていることを明らかにした。
報道によると、同問題で流出した1万件の情報の中には、性犯罪の被害者や事件発表時は匿名扱いにされた少年などの個人情報も含まれている。警視庁では情報の流出が著しい名誉毀損に当たると判断した場合、担当部署などから情報流出の事実を伝えて謝罪を行う方針で、すでに対象者の一部に謝罪した。
■愛知県立高、生徒個人情報のべ1万4,598名分、航空自衛隊退職者名簿など流出
愛知県立高校2校の生徒の個人情報のべ1万4,598名分と航空自衛隊岐阜基地(岐阜県各務原市)の退職者名簿などが同県立高校の男性教諭(43歳)の私有パソコンからShareネット上に流出したことが30日、明らかになった。
報道によると、流出情報は同教諭の現在の勤務校である同県立一宮工業高等学校の1998年度から2007年度までの生徒の個人情報のべ7,053名分と、前任校である同県立一宮興道高等学校の1994年度および1997年度から2000年度までの生徒の個人情報のべ7,545名分の氏名、住所、生年月日、成績、希望校、進路など。重複が多いため、情報が流出した生徒の実数は把握されていない。同時に航空自衛隊岐阜基地の退職者名簿や同基地の見学計画書なども流出した。
同教諭は学校に無断で生徒の個人情報を持ち帰り、自宅のパソコンに保存。同パソコンにShareをインストールしたところ、6月27日ごろにウイルスに感染して情報が流出した。航空自衛隊の資料については同基地に勤務していた家族の依頼で作成し、同パソコンに保存していた。当該生徒に対しては、週明けから県の教育委員会が謝罪を開始。同教諭の処分も検討している。
(2007/07/02 ネットセキュリティニュース)
■警察情報の流出事案についてのお詫び(警視庁)
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/index3.htm
■愛知県立高校関連リンク
・愛知県立一宮工業高等学校
http://www.ichinomiya-th.aichi-c.ed.jp/
・愛知県立一宮興道高等学校
http://www.ichinomiyakodo-h.aichi-c.ed.jp/
・愛知県教育委員会
http://www.pref.aichi.jp/kyoiku/
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