ウイルス感染によるファイル共有ソフトを介した情報流出が2件、明らかになった。農研機構職員からは研究者らの個人情報が、茨城県古河市の中学校教諭からは児童や生徒の個人情報がインターネット上に流出した。流出がらみの処分も新たに3件発表されており、警察関係からもついに懲戒免職者が出た。
■農業・食品産業技術総合研究機構、研究者ら500名の個人情報流出
農林水産省所管の独立行政法人「農業・食品産業技術総合研究機構」は25日、花き研究所(茨城県つくば市)職員の自宅のパソコンから研究者らの個人情報がインターネット上に流出したと発表した。
同機構によると、流出したのは共同研究先機関や学会参加者、同機構研究者など、のべ約500名分の氏名やメールアドレスなど。当該職員は自宅の私有パソコンに業務ファイルを保存したことを忘れ、昨年12月ごろにWinnyをインストール。今年6月頃にウイルスに感染しネットワーク上に流出したものとみられる。今月17日に匿名の通報を受け流出が判明した。
・個人情報の流出について(農業・食品産業技術総合研究機構)
http://www.naro.affrc.go.jp/news/0000000003/2007/0000003132/0000003132.html
■古河市立古河第二中学校と古河第六小学校、2,092人分の名簿や成績表流出
茨城県古河市教育委員会は25日、市立古河第二中学校教諭の自宅のパソコンから、市内の小中学校2校の児童と生徒2,092名分の名簿や成績表がインターネット上に流出したと発表した。
流出したのは、2003~2007年度の同中生徒1,879名と剣道部の卒業生75名、以前に勤務していた古河第六小学校1998~2001年度の児童138名の名簿や成績表など。当該教諭が自宅の私有パソコンにこれらデータを保存していたところ、今月18日ごろウイルスに感染しShareを介して流出。23日に匿名の通報や文部省からの連絡を受け流出が判明した。
・古河市
http://www.city.ibaraki-koga.lg.jp/
■Winny情報流出で懲戒処分~福山市、名古屋市教育委員会、警視庁
先月から今月にかけて起きたWinnyのウイルス感染による情報流出で、関係者の処分が新たに3件公表された。
福山市民病院の医師が214名の患者情報を流出させた問題で、福山市は13日、医師を5日間の停職処分に、院長を訓告、副院長ら4人を厳重注意とした。当該医師のパソコンからは、以前に勤務していた香川県立中央病院の患者情報299名分も流出した。
名古屋市立豊治小学校の教諭が児童33名の成績表などを流出させた問題で、名古屋市教育委員会は18日、教諭を戒告処分とした。
警視庁北沢署地域課巡査長が1万人を越える捜査情報を流出させた問題で、警視庁は20日、巡査長を懲戒免職処分に、巡査長にデータをコピーさせた上司の巡査部長を減給10分の1・1か月、流出に関与した職員ら2人を警務部長訓戒、北沢署署長ら5人を戒告処分とした。同庁のこれまでの調査では、流出ファイルは約1万700件で、約1万500名分の個人情報が含まれていた。
(2007/07/26 ネットセキュリティニュース)
【過去記事:ネットセキュリティニュース】
・[Winny]流出:福山市民病院勤務医の私有PCから、2病院の患者情報約500名分(2007/07/05)
・[Winny/Share]情報流出:ユアテック、日本パープル、名古屋市立豊治小学校(2007/06/28)
・[Winny]流出:警視庁から資料1万件、鹿児島県から県民情報、楽天市場からも(2007/06/14)