家庭・個人向けコンピュータゲームの業界団体であるコンピュータエンターテインメント協会(CESA)は7月29日、オンラインゲームの運営会社から集めた不正事例をまとめ、「オンラインゲーム不正事例報告書」として発表した。
同報告書では、「ゲーム運営会社の許諾のないRMT(*1)」「BOT行為(*2)」「チート行為(*3)」などといった、オンラインゲームでの不正行為の事例をあげ、何が行われているのか、何が問題なのかを解説している。たとえば、オンラインゲームで不正に得たアイテムを売りさばく事件などで知られるRMTについては、ゲーム運営会社の許諾を得ないものと公認のものがあるとし、無許諾の場合、オンラインゲーム外で現金のやり取りが行われ、ゲーム内でアイテムなどの交換が行われるため、ゲーム運営会社が全体の金額取引の実態がつかめなくなると、その問題点を指摘している。
同協会はオンラインゲームのトラブル構造を現実社会の「オレオレ詐欺」などとよく似ているとして、トラブルを回避するために「トラブル事例を数多く知ること」「だまそうとたくらんでいる悪意ある人間の手口を把握し危機管理意識を持つこと」をあげている。
同協会では昨年12月に「オンラインゲーム委員会」を設置。これまで運営会社が独自に手掛けていたオンラインゲームに関する課題解決に向けた取り組みをバックアップし、今後も継続して情報を発信する予定だ。
*1)RMT:「Real Money Trade」の略。ゲーム内のアイテムなどを現実社会の通貨で売買すること
*2)BOT行為:ゲーム内のキャラクターを自動操作するロボットプログラムなど不正なツールを使用して、ゲーム内のアイテムや経験値を不正に得る行為
*3)チート行為:ゲームのデータやプログラムをユーザーのコンピュータ上で改変し、ゲーム内通貨やアイテムを不正に量産したりキャラクターを強化する行為。
(ネットセキュリティニュース 2007/08/08)
■コンピュータエンターテインメント協会の発表資料
・「オンラインゲーム不正事例報告書」を発表
http://onlinegame.cesa.or.jp/20070726.html
・オンラインゲーム不正事例報告書[PDF]
http://onlinegame.cesa.or.jp/pdf/houkoku20070726.pdf