出会い系サイトに援助交際相手などを求める書き込みをする少女が増えいている。
警察庁のまとめによると、出会い系サイト規制法違反(不正誘引)で摘発された18歳未満の検挙件数は、同法施行翌年の2004年に6件、2005年に5件だったのが、2006年には18件(うち14件が下半期)に急増。今年は上半期だけで、すでに21件を数える。
同法では、18歳未満の少年少女との性交渉や金銭などの授受を伴う交際を求めることを禁じており、18歳未満の相手を求めたり紹介することはもちろん、少年少女自身の誘いは書き込むだけで処罰の対象となる(少年法の規定で保護観察などの保護処分)。
18歳未満の検挙件数には、相手を求める少年や、あっせんする少年少女たちも含まれるが、多くは自ら相手を誘う少女自身の書き込みだ。検挙者急増となった、過去1年の事例をご紹介する。
■2007年7月(秋田県警大仙署と県警少年課)
4月上旬に自分のメールアドレスや体の特徴を添え、わいせつ行為の相手を求める内容を書き込んだとして、秋田県の高校女子生徒(16歳)を書類送検。県警がサイバーパトロール中に発見し摘発した。少女は実際に性的関係を持つことはなく、アクセス数が増えたり申し込みのメールが来るのがおもしろかったという。
■2007年6月(栃木県警宇都宮東署)
2月下旬にわいせつ行為の相手を求める書き込みをしたとして、宇都宮市の高3女子生徒(17歳)を書類送検。少女は「17歳栃木宇都宮でゴム付き別3.5~で会える方…値段など条件、プロフ付きでメールください」などと書き込んでいたという。
■2007年2月(青森県警黒石署と県警少年課)
1月中旬にわいせつ行為の相手を求める書き込みをしたとして、青森県の中3女子生徒(15歳)を書類送検。県警がサイバーパトロール中に発見し摘発した。少女は、実際に性的関係を持つことはなく、興味本位で投稿したという。
■2006年11月(警視庁少年育成課)
8月上旬に「男性募集、18まいなす2だよ…」などと書き込んで相手を募集したとして、東京都内の中3女子生徒(14歳と15歳)を書類送検。2人は洋服や化粧品代が欲しかったといい、2人に1万円ずつ渡してわいせつ行為を行った都内の男(30歳)も逮捕されている。
■2006年10月(北海道警少年課など)
6月上旬に1万円以上で援助交際募集とする内容を書き込んだとして、苫小牧市の無職少女(16歳)を書類送検。少女は18歳と偽って出会い系サイトに入り、書き込みには「18マイナス2歳」と添えて募集。サイトを通じて数人の男性と会っていたらしい。
■2006年9月(宮城県警仙台東署)
4月上旬に援助交際の相手を求める書き込みをしたとして、仙台市の中3女子生徒(15歳)を書類送検。少女は「お金が欲しいので、援助交際してくれる男性募集」などと書き込んでいたという。
■2006年9月(山梨県警少年課と生活安全企画課、笛吹署)
6月下旬に援助交際の相手を求める書き込みをしたとして、中2女子生徒(13歳)を補導。少女は年齢と金額を提示し「Hしてもいいよ」などと書き込み。興味があり、お金も欲しかったという。
【関連リンク】
・出会い系サイト規制法(e-Gov)
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=2&H_NAME=&H_NAME_YOMI=%82%a2&H_NO_GENGO=H&H_NO_YEAR=&H_NO_TYPE=2&H_NO_NO=&H_FILE_NAME=H15HO083&H_RYAKU=1&H_CTG=1&H_YOMI_GUN=1&H_CTG_GUN=1
・平成19年上半期のいわゆる「出会い系サイト」に関係した事件の検挙状況について[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h19/pdf36.pdf
・平成18年中のいわゆる出会い系サイトに関係した事件の検挙状況について[PDF](警察庁)
http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h18/pdf33.pdf
【過去記事:ネットセキュリティニュース】
・出会い系被害者の85%が少女、援交誘う少女の書き込みも急増~警察庁まとめ(2007/08/30)
・出会い系サイト~警察庁が2006年の検挙状況発表、未成年者の携帯電話対策も(2007/02/19)
・「出会い系サイト」関連事件が過去最多を示す~警察庁まとめ(2006/08/15)
・出会い系サイト事件:被害者の83%は女子児童、男性は財産被害が9割以上(2006/02/20)
・警察庁、中高生に呼びかける犯罪予防HP「あぶない!出会い系サイト」開設(2005/12/09)
(2007/08/31 ネットセキュリティニュース)